わかる日本書紀

他国の使者を海へ投げ入れた言い訳「クジラが怖くて」【第30代②】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第4巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第30代、敏達天皇の御代のお話(提供元:西日本出版社)。

送使ナニワ直の荒唐無稽(こうとうむけい)な言い訳

敏達(びだつ)二年五月三日、高句麗の使者が、日本の越(こし)の海岸に漂着しました。
船は壊れて、溺れ死ぬ者が大勢出ました。
朝廷は、高句麗の船があまりにたびたび漂流するのを不審に思って饗応せず、吉備海部(きびのあまの)ナニワ(難波)※1に命じて、流れ着いた使者を高句麗に送っていかせました。

七月一日、ナニワ直は高句麗の使者が何事かたくらんでいるのではないかと疑って、越の海岸で乗船するときに、ナニワ直の船の乗員二人と、高句麗の使者二人を入れ替えました。
二艘の船は同時に船出し、数※2ばかり進んだとき、送使ナニワ直は荒波を恐れ鎮めようと、高句麗の二人を捕まえて海に投げ入れました。

八月十四日、送使ナニワ直は日本に帰国し、天皇にこう報告しました。
「海中に大きなクジラがいて、船をさえぎり櫂(かい)に噛みつきました。我々は、クジラが船を呑み込むのではないかと恐れて船を進めることができませんでした」
天皇はその報告を聞いて嘘だと見抜き、ナニワ直を朝廷の雑用に使って、郷里に帰ることを許しませんでした。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

日本のはじまりを知る。

この連載について

初回を読む
わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません