種田山頭火「アルコールがなければ生きていられないのだ」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

50代、病気にまつわる愚痴

種田山頭火(俳人)

1882年-1940年。山口県生まれ。本名、正一。早大中退後、生家の破産、母や弟の自殺、離婚などを経て出家。行乞の旅に出た後、雑誌『三八九』句集『鉢の子』などを刊行。小郡の其中庵、松山の一草庵などに転住しつつ全国を行脚した。

強い決意も酒の前に消える

種田山頭火は酒を愛した俳人である。前述のように酒造業を営みもしたし、酒を飲みすぎて市電を止めてしまったこともある。

行乞の旅を経て、句集『鉢の子』を出した後も、全国を旅し、句を詠み、そして、酒を飲んだ。54歳の年の旅日記に「年頭所感」として

「歩く、飲む、作る、—これが山頭火の三つ物である」

と書いている。別の箇所では

「アルコールがなければ生きていられないのだ、むりにアルコールなしになれば狂いそうになるのだ。……」

と、酒好きというよりも、もはや中毒であることを告白している。実際、大好きな朝酒を飲んでは

「もったいなや、きょうも朝湯朝酒」

「朝酒はありがたすぎる」

「朝湯朝酒とは有難すぎる、身にあまる冥加である」

と、「もったいなや」「身にあまる」といいながら、飲酒を繰り返している。


特に酒量に関しては、思うところがあるらしく

へべれけ人生であってはならない

ほろよい人生でなければならない

と度々語りつつも、

「眼さめるとすぐ熱い熱い湯の中へ、それから酒、酒、そして女、女だった。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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コメント

sabochin 本人にとっては笑い事じゃないんだろうけど笑ってしまった 5ヶ月前 replyretweetfavorite

crazy_noisy_jt |福田智弘|なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全 めちゃくちゃ笑った https://t.co/z0oJLT2JjU 5ヶ月前 replyretweetfavorite