悲涙禁じがたし」北条義時

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

40代、人間関係にまつわる愚痴

北条義時(武将)

1163年-1224年。北条時政の次男。兄の戦死後、北条家の後継者となり、父の失脚後、鎌倉幕府の2代執権となった。後鳥羽上皇による倒幕運動「承久の乱」が起こった時には、姉政子と協力して、無事、これを鎮圧した。

義弟の仇のために実の父親を失脚させた男

2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公として、一躍有名となった北条義時。父である鎌倉幕府の初代執権(将軍補佐役)北条時政の跡を継いで、2代目の執権となる人物だ。姉に源頼朝の妻・北条政子がいる。

その他にも腹違いの兄弟姉妹がおり、その結婚相手、すなわち義兄弟に当たる人物に畠山重忠と平賀朝雅がいる。

畠山は知勇兼備で「坂東武士の鑑」とまで称された人物。一方の平賀は、北条時政の寵愛を受けていた後妻・牧の方の娘婿として幅を利かせていた。

この平賀と畠山の息子が、不和となる。そこで平賀は義理の母である牧の方に訴え、畠山を殲滅しようと図る。牧の方とそれを愛する北条時政は、平賀の訴えを聞き入れ、「畠山に謀反あり」として、その討伐を決定。討伐実行の命を受けたのが、北条義時であった。

義時は、畠山重忠の高潔な人物像を知っていた。彼が謀反など起こすはずはない、と思っていただろう。事実、

犯否の真偽を糺すの後にその沙汰あるも、停滞すべからざらんか

(真偽を確かめてから、取り扱いを決めても遅くはないのではないか)

と告げたが、その訴えは聞き入れられなかった。やがて、義時は大軍を率いて戦いの場へと赴く。そして、いざ対峙してみると、畠山の軍勢はわずかに130余騎。数に劣る畠山軍はあっさりと敗れ、畠山重忠も首をはねられた。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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sabochin 鎌倉殿の13人見なきゃな〜 5ヶ月前 replyretweetfavorite