※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年9月9日発売当時のものです。
最高司令官として
昭和天皇 時代遅れの「統帥」の仕組み
明治大学 教授・山田 朗
日中戦争、アジア太平洋戦争において、軍部の独断専行に心を痛めつつ、最終的には1945年の聖断によって戦争の終結をもたらした ──。一般的にはそう理解されている昭和天皇だが、それは本当だろうか。
昭和天皇は戦局によって濃淡があるものの、戦争中、陸・海軍の作戦を積極的に指導している。本稿では、昭和天皇の戦争指導について事実を提示し、国家のシステム上の問題点を考えてみたい。