白髪頭は、搔きむしると、さらに抜けていった」杜甫

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

40代、不遇・人生にまつわる愚痴

杜甫(詩人)

712年-770年。中国、盛唐の詩人。字は子美、号は少陵。鞏県(河南省)の人。李白と並び称される中国の代表的詩人で「詩聖」と呼ばれた。『春望』『北征』『曲江』などの数々の名作が、松尾芭蕉ほか日本の文人に与えた影響も大きい。

名詩の中にある切実な愚痴

40代というのは、白髪頭が気になりはじめる時期なのかもしれない。(もちろん、個人差は大きいのだが……)

右に挙げたのは、中国、唐の時代の詩人、杜甫の詩に登場する一節である。

「白頭掻更短 白頭掻けば更に短く

 渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す

(白髪頭は、搔きむしると、さらに抜けていき、まったくもって簪を受け止めることにも耐えられそうにない)

しかし、なにゆえ杜甫は髪が抜けるほど頭を掻きむしっているのだろうか。何かに思い悩んでいるのか、深く悲しんでいるのか、そのような心の状態を描写したようにも読み取れる。この前には、

世の有様を嘆いては美しい花を見ても涙を流し、家族との別れを悲しんでは鳥のさえずりを聞いても心を痛ませる

といった表現も出てくる。

さて、何が彼をこのように嘆き悲しませているのだろうか。

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人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

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