家事をやめる

少ないもので生きるとは自分を取り戻すこと

掃除して洗濯して料理して皿洗って……生活に面倒な家事は付き物。のはずが、「ノー家事」生活を謳歌する人がいます。連載「買わない生活」が話題の稲垣えみ子さんです。あるきっかけから人生で初めて、面倒な家事を一切しなくとも清潔で快適、この上なく気持ちの良い暮らしを手に入れ、今や毎日が楽しくて仕方ないとか。圧倒的ローコスト、ローエネルギー、ローウェイストで幸福度が確実にアップする「ノー家事」生活の全貌とは。(提供元:マガジンハウス)

友人からもらった着物のハギレで、ヒマに任せて「なみぬいエプロン」を制作。なみぬいで大体のものは作れることが判明

前回、たまたまぼーっと見ていた韓国歴史ドラマに、我が人生を救う大きなヒントを思いがけず頂いた顛末を描いた。今も目を閉じれば、あの宮廷を追われた王女様の質素で美しい暮らしぶりがハッキリと浮かんでくる。何もない暮らしは敗北でも惨めなことでもなく、むしろ凛としたカッコイイ生活なんじゃ……? と思わせてくれる最高のシーンであった。

そーだよ。豪華マンションから古い極小住宅へ引っ越さねばならぬことに、うじうじ怯える必要なんてないのだ。それどころか、ここは美しい暮らしへの希望を胸にワクワク一歩を踏み出すとこなんじゃ……と、一瞬にして超強気になる私。

全く人間なんて単純なもんである。

そう人生とは思い込みが9割!

それを思うと、偶然あのドラマを見ていたことが奇跡のようにありがたい。もし見ていなかったらどうなっていただろう? モノを処分すれば幸せも処分されるという「常識」を捨てられぬまま結局は何も処分できず、でも狭い家に引っ越さねばならないという現実はどうにもならず、となれば行き着く先は、モノ・モノ・モノで埋め尽くされた小部屋でのゴミ屋敷生活……?  いやいやいや、リアルにありえそうすぎて怖すぎます!  それを思うと、本当にイメージ作りほど重要なことがあろうか!  というわけで、今回もさらにイメージ作りの話である。

究極的にどこまでモノを減らせるか

実は、私のイメージ作りは韓国ドラマで満足することなく、さらに先へと進んで行ったのであった。

だってね、確かにドラマの王女様の追放ライフは「イメージ」としては完璧。でも一つ大きな難点がありまして、と言いますのは、それはあまりにもゆるふわ、つまりは抽象的だったのだ。私がこれから迎えねばならぬ現実の生活の参考にするには、リアリティーに欠けたのである。

この続きは有料会員の方のみ
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

この連載について

初回を読む
家事をやめる

稲垣えみ子

我が人生から、家事が、消えた。50年近くずっと格闘してきた家事が、気づけば、消えていた。 それなのに、家の中は整っていて、気分は晴れやか。しかも圧倒的ローコスト、ローエネルギー、ローウェイストという夢のような事態。そんなノー家事生...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません