日本史における天皇#1】現代と歴史上の天皇/天武・持統天皇

この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。(提供元:東洋経済新報社)

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年9月9日発売当時のものです。

現代と歴史上の天皇

 日本史を振り返ると、天皇は、政治の表舞台での主役として、また政治的な実権を失ったときは名目上の権力者として、この国に関わってきた。明治憲法の下では統治権を総攬(そうらん)する君主として、そして日本国憲法の下では、国と国民統合の象徴として、歴史の節目でその地位は変化してきた。また最新の歴史学では、歴史上の天皇についての理解も変わってきている。

 新たな天皇と令和の時代を迎えたいま、〝天皇から見た日本史〟の最新の研究成果をみつつ、国のあり方についても考えてみよう。

律令国家の創始者
天武・持統天皇 国の基礎をつくった天皇夫婦

国立歴史民俗博物館 教授・仁藤敦史

 天皇は、いつ、どのような背景で成立したのか。現在では、7世紀後半、律令国家の形成期に位置づけられる天武天皇と、その皇后、持統(じとう)天皇の時代に、従来の大王号から天皇号への転換がなされたとする説が有力である。

 旧来の大王号は、ほかの王族や豪族にも「我が君」や「おおきみ」の呼称が用いられている例があることから、君主号として未成熟だった。対して天皇号は、天皇をほかの君主と明確に区別された排他的存在に変更した点に特徴がある。中国の「皇帝」と対置することで、対外的にも皇帝の冊封(さくほう)を受けた新羅王(しらぎおう)より優位な「東夷(とうい)の小帝国」の君主として自らを位置付けようとしたのだ。

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