わかる日本書紀

人が人を食う?さらっと記録されたラスト二行の衝撃【第29代⑰】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第4巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第29代、欽明天皇の御代のお話(提供元:西日本出版社)。

百済との連携を知られ、新羅に破れる②

★前回のお話→『敵将「命と女、どちらが大切か」ニヘ臣「命!!」【第29代⑯】

新羅に捕虜にされた調吉士(つきのきし)イキナ(伊企儺)※1は性格が勇猛で激しく、ついに降伏しませんでした。新羅の将軍は、刀を抜いて斬ろうとしました。無理にイキナの(はかま)※2を脱がして、尻を日本(やまと)の方に向けさせて大きな声で、
「日本の将軍よ、我が尻をくらえ」
と叫ばせようとしました。イキナはとっさに、
「新羅王よ、我が尻をくらえ」
と叫びました。責め苦しめられてもなお同じように叫び、そのために殺されてしまいました。

その子オジコ(舅子)も父を抱いて死にました。
新羅の将軍はついに、イキナの言葉を変えさせることはできませんでした。将軍たちは皆、イキナの死をことのほか悼みました。
イキナの妻オオバコ(大葉子)※3も一緒に捕虜になっていましたが、夫の死を悼んで歌を詠みました。

韓国(からくに)の 城(き)の上(へ)に立ちて
大葉子(おほばこ)は 領巾(ひれ)振(ふ)らすも 日本(やまと)へ向きて

(※訳:
韓国の城の上に立って、
大葉子は領巾を振っていらっしゃるよ
日本に向かって)

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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