マイナンバーのCMが流れまくっている

2016年1月に本格始動して以来、トラブルが後を絶たないマイナンバー制度。なかなか普及しないマイナンバーに政府が計画しているのが、保有者に「1人最大2万円分のポイント」を付与するという施策です。そこに疑問を感じている武田砂鉄さん。マイナンバー問題を改めて考えます。

納めた税金がクーポン券とポイントで返ってくる

政府が、マイナンバーカードを作った人に向けて、最大2万円分のポイントを付与する方針を固めた。コロナ禍が続き、厳しくなった個々人の生活を少しでも支える取り組みなのに、クーポン券にしろ、カード作成にしろ、やたらとハードルを設けてくる。スタートからゴールまで最短距離で走ってもらうのではなく、小さな池を作ってジャンプしてもらったり、跳び箱を置いたりしている。そう簡単に渡さないよ現金、という強い意志が感じられる。納めた税金が条件付きのクーポン券とポイントになって返ってくる政治、という言い方は大げさではない。

負の部分を必死に隠す

新しくカードを作ったら5000円分、健康保険証と紐付けしてくれたら7500円分、銀行口座と紐付けしてくれたら7500円分、全部で2万円分ですよという誘い文句なのだが、民間のカード会社などが行なっているポイントのキャッシュバックサービスは、「それなりのことをやってくれたら」が条件になっている。客もそれを理解している。今回の件は、公的機関が民間企業のようなやり方を導入し、なおかつ、「それなりのこと」に該当する負の部分を必死に隠している状態にある。

マイナンバーカードが使えるシステムを導入している医療機関・薬局はわずか5.8%。銀行口座との紐付けについては、現時点でシステムを整備中だ。カード交付開始から6年近く経ったのに、現時点で交付率が40%程度という大失敗プロジェクトを、コロナ禍であたふたしている人が増えた現在を利用して、どうにかしようとしているのである。「トイレを貸して欲しい!」と駆け込んだら、「ポイントカードを作ってください」と言われるコンビニがあったとしたら悪評が立つだろうが、その比ではないことをやろうとしている。

「自虐ネタなのかな?」
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

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365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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