世界史&宗教のツボ#2】出口治明が選ぶ世界史の5人

この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。(提供元:東洋経済新報社)

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年12月2日発売当時のものです。

常識破りの傑物たち
出口治明が選ぶ世界史の5人

立命館アジア太平洋大学(APU) 学長・出口治明

 ここで紹介する傑物5人の生き様は、現代を生きる読者にもヒントになるものばかりです。僕の好きな、常識を超越した世界史の5人を紹介しましょう。

【ムハンマド】 イスラム教の創始者

 まずはムハンマド(570頃~632年)。言わずと知れた仏教、キリスト教、イスラム教の世界三大宗教の創始者の一人です。ムハンマドは一言で言えば、普通の人。仏教の開祖ブッダ、キリスト教の開祖イエスは家族や社会を捨て、人間を救う道を模索しました。いわば、世捨て人です。

 ところが、ムハンマドは世捨て人ではない。男性として、商売人として、妻や家族とともに普通の生活を送りました。同時に、初期のイスラム共同体(ウンマ)では政治家であり、また多神教を信じる部族と戦うときは軍人・司令官としてその役割を果たしました。その結果、マッカ(メッカ)の多神教勢力に対し勝利を収め、ついにアラビア半島の大統領のような存在になります。最後は愛妻のひざの上で亡くなりました。なんと幸せな宗教者であることか。

 ブッダやイエスのように奇跡や神がかったことをしたわけではありません。普通の人でありながらリーダーシップを備え、一大宗教をつくり上げた人です。その割に、ムハンマドの人生は日本ではあまり知られていません。だからこそ、彼の人生を勉強してみるのがいいでしょう。カレン・アームストロングという宗教学者が書いた『ムハンマド ─ 世界を変えた預言者の生涯』という良書があります。

【ティムール】 ティムール朝(ペルシャの王朝)の建国者
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