調理中から食欲を誘う香り「豚肉の赤ワインとにんにく煮」

今回馬田草織さんが紹介する料理は「豚肉の赤ワインとにんにく煮」。表面が焼けて香ばしい豚肉とジャガイモに、ワインとにんにくのうま味が詰まった一品です。調理中の鍋の香りを楽しみながらワインを飲むのもオススメ。ぜひ、お試しください!

cakes読者のみなさま、こんにちは。

完成品より、料理途中の鍋中の方がそそられることがよくあります。焼け具合、脂の色や香り、ソースの艶と、見える景色は結構ドラマチック。とくに寒くなってくると、鍋でスープをふつふつ煮たり、ソースで肉や魚をじゅっと焼くことが増えるから、はっとすることも多くなる。とはいえ、そのたびにいちいち誰かを呼んで、ほら見てこれ、すごくない、と共感を強要するわけにもいかないので、仕方なくひとりキッチンでにまにまするのです。キッチンって結構孤独。でも、寂しくはない。

今回は、そんな鍋中最高な料理をご紹介します。そもそもはポルトガルのマデイラ島で、クリスマスの時期に食べられてきた料理。ポルトガル名は「ヴィーニャ・ダーリョシュ(Vinha d'alhos)」。ヴィーニャがワイン、アーリョがにんにく。豚肉を、ワインとワインビネガー、にんにくで味付けして寝かせ、ゆっくり煮るように焼く料理です。ワインが水のように飲まれてきた国なので、伝統的なレシピをみると、ワインが出汁のようにじゃぶじゃぶ使われていて面白い。ビネガーもたっぷり使うのは、 冷蔵機器がない時代からの、肉の保存方法だったのではと推測します。

そして大航海時代、この料理はインドに渡り、ポークビンダルーとなったと言われています。当時マデイラ島は、ポルトガルを出発した船が最初に水や食料を補給した重要な中継地点。その地域の料理が人を介してインドに渡ったのかと想像すると、料理を生むのは地理と歴史だという事実に、ポルトガルおたくはひとり胸熱になってしまいます。

ちなみにマデイラ島の正式空港名は、出身サッカー選手の名前が冠された「クリスティアーノ・ロナウド・マデイラ国際空港」。かっこいい本人とは似ても似つかない胸像が人気で、みんな楽しそうに記念写真を撮っていました。

この料理に合わせる11月のワインは、なめらかで酸がきれいな赤。ポルトガルのお宝ワインの産地、ドウロ地方の上質なワインです。

では、パパッと作っていきましょう。

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「豚肉の赤ワインとにんにく煮」

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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コメント

nappyon 「弱めの中火でこんがりと色よく焼く。両面で約10分が目安。そしてこの香りと眺… https://t.co/EFc8XVuv66 18日前 replyretweetfavorite

ono_k 今日の晩ご飯は「ヴィーニャ・ダーリョシュ(Vinha d'alhos)」 https://t.co/Q8Rletb6Rd っていうらしいです。うまいうまい! 赤ワインがあっという間に消えてしまう!! https://t.co/OK6Aj3qT5n 19日前 replyretweetfavorite

S_Matsu 作ってみる。この方のレシピはいつも美味しそう。ポルトガル料理って美味しいんだろうな。 19日前 replyretweetfavorite

gohstofcain これを作るべく、買ってきた肉をマリネしてる。 19日前 replyretweetfavorite