人間並の一生涯を送ることができたのかも知れない」永井荷風

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

20代、病気にまつわる愚痴

永井荷風(小説家)

1879年-1959年。明治、大正、昭和期を代表する文豪。外遊経験を活かして著した『あめりか物語』『ふらんす物語』で注目を浴びたほか、花柳界を題材にした小説などでも知られる。代表作は『腕くらべ』『つゆのあとさき』『濹東綺譚』など。

病気で悩み苦しみたどり着いた職業

文豪・永井荷風は、15歳になる年に大きな病気を経験した。

「瘰癧(結核性頸部リンパ節炎)」という、結核菌によって起こり首が数珠状に腫れる病気だという。

最初は帝国大学病院に入院し、その後、小田原、逗子で療養を重ね、復学できたのは、翌年の秋。約9カ月もの間、病と闘ったことになる。

「復学」とはいっても、これまでと同じではない。1年の4分の3を療養に費やしてしまったために、一学年下のクラスで学ぶことになったのだ。

これまで学んできた友だちと別れ、年下の子どもたちと一緒に学ぶことになるわけだから、楽しかろうはずがない。

結局、「以前のように学業に興味を持つことが出来な」くなり、「休課の時間にもわたくしは一人運動場の片隅で丁度その頃覚え初めた漢詩や俳句を考えてばかりいるようになった

と、後年、永井は語っている。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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