心も魂も汚れはててゆくばかりでした」柳原白蓮

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

20代、人間関係にまつわる愚痴

柳原白蓮(歌人)

1885年-1967年。東京生まれの歌人。波乱万丈の結婚生活の末に「白蓮事件」を起こしたことで知られる。太平洋戦争で愛息を亡くし、「国際悲母の会」を立ち上げ平和運動にも積極的にかかわった。歌集に『踏絵』『幻の華』などがある。

愛も自由もない炭鉱王との結婚生活

「柳原白蓮」と聞いてもピンと来ない人もいるかもしれない。しかし、2014年の朝ドラ『花子とアン』で、仲間由紀恵が演じた葉山蓮子のモデル、と聞けば、「あぁ、あの人か」とイメージがわく人もいるだろう。

柳原白蓮、本名燁子。柳原前光伯爵の娘で、叔母の愛子は大正天皇の生母であるから、天皇の従妹ということになる。絵に描いたような良家の娘である。

幼い頃に遠縁に当たる北小路子爵の養女となり、15歳で北小路家の長男資武と結婚するも、この結婚は失敗に終わり、20歳で離婚となる。

その後、東洋英和女学校に学びながら、佐佐木信綱に師事し、短歌の創作に勤しむ。

転機が訪れたのは、25歳の年。九州の炭鉱王、伊藤伝右衛門と見合いし、結婚することになったのだ。この結婚は世間を騒がせた。伊藤は25歳も年上だった。しかも、伊藤は典型的な成金で、字もろくに読めない男だったという。しかも、白蓮は「大正三美人」とうたわれるほどの美貌の持ち主であり、伯爵家には多額の支度金が支払われた。世間では「金で買われた美貌の妻」「人身御供」とまで噂されるようになった。

案の定、というべきか、結婚生活は明るいものではなかった。しかし、その理由は、身分や年齢の違いや、夫の無学さではなかった、と白蓮は語る。主な理由は夫の愛情の欠如だった、と。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

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福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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