通りすぎてから振り返る過去ばかり見ないで、今をちゃんと見たい。

過去を見がちな性分から、通り過ぎてから振り返ることでしか人生を感じられなかったというサクちゃん。もっと今に集中して「今感じることがすべて」になれたらと願望を語ります。ただ、最近はじめた「ある習慣」が「今」に焦点を当てることに一役買っているかもしれないそうで…。(毎週火曜日更新)

蘭ちゃんへ

こんにちは!
急に涼しくなって、冬服をひっぱり出したりあたたかいパジャマを用意したりしました。この前、蘭ちゃんが東京に来た日も、とても寒かったね。久々に会えてうれしかったです!

季節の変わり目、寒い日や雨の日に、極端にやる気が出なくて気分が上がらないと、今年もまた気候に振り回されているなと思います。しょうがないので気候のせいにしていきましょう。

*ー*ー*

さて、蘭ちゃんもわたしも、同じ「考えすぎ」チームですが、蘭ちゃんは「生きるって何?」「幸せって何?」と考えていたと書いていました。わたしは、それについてはあまり考えていませんでした。では何を考えすぎていたのかというと、子どもの頃からいつも具体的な何かに困っていて、どうしたらここから離脱できるか、どうしてこうなってしまったのか、目の前の問題について考えていたような気がします。

考えるのが好きだというよりも、そのままでは困ったことになるから、考えずにいられなかったという感じです。生き延びるための術だったのだと思います。

それは今でもあまり変わっていなくて、「生きるって何?」という問いに、あまり興味が湧きません。意味は、人によってあまりにも違うからです。だから、蘭ちゃんに「生きるって思い出づくりだ」と言ったときも、「そう思うことにした」と話しました。

生きることの意味がわかるとしたら、きっと死ぬ寸前だし、生きているうちに考えてもわかることはありません。唯一わかることと言えば、生きていると思い出ができるということです。だから、自分が死んだあとで誰かの中に残る思い出や、もし天国のようなものがあるとしたら、そこで話す思い出話をつくっているのだと思うようにしました。

また、蘭ちゃんは、生きることを、マラソンのようにどこかに向かって走り、何かを得るために努力していると例えていましたが、その感覚もわたしの中にはありません。イメージがあるとしたら、広場でピクニックみたいな感じです。それで、ときどき次の場所に移動したり、山に登ったり、いろんな景色を見て、また好きな場所でピクニックをします。

そんな調子だから、目的や目標をたてられず、どこに向かっているのかと聞かれると答えられないのですけどね。良し悪しです。

*ー*ー*

「最近、サクちゃんは何か思い出をつくりましたか?」と前回の日記で蘭ちゃんは聞いてくれました。

わたしの携帯のメモに「平穏と充実は両立します」と書いてあります。これは、何かの本で読んだ言葉をメモしたものなのだけど、ほんとうにそうだなあと思って、最近よく思い出します。

コロナ禍でしんどかったことのひとつに「思い出がつくれない」がありました。でも、大きなイベントやアルバムに貼る記念写真のような特別な日だけではなくて、日常の中のなんでもないことも、立派な思い出だと思うのです。そうなるといいなという願いもありますが。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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