インスタントに使える便利な出汁素材「煮干し」の選びかた

「煮干し」は手軽に使える便利な出汁素材。ただ、選びかたや扱いかたを間違えると生臭みが出てしまうことも。料理家の樋口直哉さんがイチオシの「煮干し」と、良い煮干しの見極めかた、基本の使いかたまで教えてくださいました。

日本料理の基本は鰹節と昆布の合わせ出汁……というイメージがありますが、それだけが出汁ではありません。例えば煮干しは手軽に使える素材です。鰹節はザルなどで濾す手間が必要ですが、煮干しは網杓子でざっくりとすくうだけでよく、なんならそのまま食べることもできます。

特に煮干しは毎日、食べる味噌汁に最適な出汁素材です。煮干しを使った味噌汁のレシピはこちらのcakes連載に掲載したので、参照してください。

さて、煮干しは小魚を煮てから干したもので、原料としてはいわし類が多く使われます。歴史的にみれば煮干し出汁は比較的新しい存在。西日本を中心に使われていたようですが、文献上に登場するのは近世になってからです。大正14年に書かれた大日本料理研究会 編『斬新美味惣菜料理顧問』という料理書に書かれている出汁のとり方は

煮干鰯の頭を取り、腹部の黒い部分を取り去り二枚にはがし、中骨をとり、手で手早く洗い、水気を切っておきます。次に昆布の砂気を取り置き、鍋に水一升を入れて火にかけ摂氏六十度の頃、昆布を入れ、昆布が上に浮かびました時昆布を引上げ、煮干を入れ、弱火で5分間煮て、ひとつかみの塩を入れて火からおろし、上に浮び居る泡をすくい取り、裏漉します。

とあり、現在の煮干し出汁のとり方とほとんど変わっていないことがわかります。


よい煮干しは色が違う

さて、煮干しの選び方です。食べる用に作られたソフトタイプの煮干しも売られていますが、パッケージに出汁用とある煮干しを選んでください。

具体的な選び方は同じく魚を原材料にした出汁素材である鰹節との違いを知るとより理解できます。鰹節は頭と内臓をとりのぞき、煮た後、焙乾という乾燥工程を踏みます。この過程で鰹から脂肪が落ちるのですが、一方の煮干しはとってきたイワシをそのまま煮た後、乾燥させて作るので、脂肪が残っています。脂肪は酸化しやすいため、出汁を作り置きしたり、保存状態を間違えると生臭みが出てしまいます。

ぼくがおすすめする煮干しはこちら。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
樋口さん、どれがいちばんですか?

樋口直哉

包丁、まな板、鍋、フライパン、塩や醤油などの台所に欠かせない品々について、食の博識・樋口直哉さんがベストと思う一品を紹介します。なぜ、それがベストなのかという理由や選ぶときのポイントを解説するので、これを読めば迷わず納得してその品物を...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

schwareze_katze https://t.co/EWYIGNoI0m 25日前 replyretweetfavorite

naoya_foodlab いりこ出汁。これからの季節はにゅうめんですね。オリーブオイル垂らすと美味しいのでおすすめ。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite