​嫉妬は本当にエネルギーになるのか?

誰にでもある感情「嫉妬」。厄介な感情ですが、時に何かをするエネルギーにもなります。この、「嫉妬をエネルギーにする」に思うところがあるという林伸次さん。林さんは嫉妬とどう向き合っているのでしょうか?

すごい人たちはみんな嫉妬している

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、常連のある有名人の方が、最近僕がメディアなんかにちょっと露出していることに対して、「林さん、良い感じじゃないですか」って、わざとちょっと嫉妬っぽく言ってくれたんです。正直、人気者から嫉妬されるのって、すごく嬉しかったんですよね。

嫉妬って、まず自分と同じジャンルの人に対してします。例えば同じSNSでも、Twitterのフォロワー数を気にする人は、自分よりTwitterのフォロワー数が多い人には嫉妬しても、Instagramのフォロワーが多い人のことはあまり気にしません。もちろん同様に、Instagramのフォロワーを気にする人は、Twitterを気にしません。比較するジャンルが揃った時に、「え? あんな投稿なのにどうしてフォロワーとかいいねが多いの?」みたいな感じで嫉妬します。

ジャンルが違えば、そういう嫉妬ってあまりありません。例えば僕、飲食業界の人からたまに、「なんだあいつ、調子にのりやがって」って叩かれるのですが、ITの人や大工さんから叩かれたことはありません。

だから、その有名人の方が僕に嫉妬心を見せてくれたのは、同じジャンルで比較対象になると思ってくれているから、と感じました。あ、そう思ってくれたんだ、嬉しいなと思いました。

有名な話ですが、手塚治虫って「若くて才能がある人」にすごく嫉妬したそうなんです。宮崎駿や石ノ森章太郎に嫉妬して、「あんなのマンガじゃない」とか「あの作品に賞はやらない」って言ってるんです。

手塚治虫なんて大御所だから、もっと堂々として、「若い人は色んな冒険的表現ができて素晴らしいね」って大きく構えてたらいいのに、全然そんなことできないんです。「自分も同じリングで戦っている」っていう現場感覚、同時代感覚、ライバルだ、という気持ちをいつまでも持っていたのでしょう。その嫉妬心を、「よし、俺だって負けないぞ」っていう自分へのエネルギーにして、あの素晴らしい作品群を描いたんだと思います。

冒頭の有名人の方も、たぶんその嫉妬心をエネルギーにしてがんばっているんだと思います。嫉妬ってどうしても「みっともないもの」「恥ずべき気持ち」って考えてしまいますが、実はそうやって「自分を奮い立たせるエネルギー」に変えることもできるんですよね。

実際に嫉妬をエネルギーにするとどうなるのか?

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

keizin0309 嫉妬は本当にエネルギーになるのか?|林伸次 @bar_bossa | 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

AizuLover なるほど面白い視点の話でした。自分が何に「嫉妬」しているのか?を、見つめておくことも大事だなぁと。 ​ 嫉妬は本当にエネルギーになるのか?|林伸次 @bar_bossa | 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

hana_kozakura わかりみ。わかってはいるのだけど。。。 嫉妬をエネルギーに出来ること自体がすでに才能では?と思いつつ読みました。 嫉妬は本当にエネルギーになるのか?|林伸次 @bar_bossa | 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

bar_bossa 嫉妬に溺れてしまう人っていますよね。良い嫉妬とダメな嫉妬の話です。 嫉妬は本当にエネルギーになるのか?|林伸次 @bar_bossa | 約1ヶ月前 replyretweetfavorite