このまま老い朽ちてしまいたくない」島崎藤村

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

50代、恋愛にまつわる愚痴

島崎藤村(小説家)


1872年-1943年。長野県西筑摩郡神坂村、現岐阜県中津川市馬籠生まれ。本名、春樹。明治学院を卒業後、明治女学校、東北学院などで教鞭をとる。抒情詩集『若菜集』などを発表後、小説『破戒』『新生』『夜明け前』などを著す。

何歳になっても恋愛を手放さない

「まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき前にさしたる花櫛の花ある君と思いけり(後略)」

この抒情的な詩「初恋」でも知られる島崎藤村。のちに小説を書き、『破戒』『夜明け前』などの傑作を残している。

藤村が、女性に胸をときめかしたのは、無論、初恋だけではなかった。多くの恋を経験しながら傑作を書き上げてきた人物である。

大学を卒業後、女学校の教師をした藤村は、そこで恋に落ちた。相手は教え子。しかも、彼女には許嫁がいた。まだ20歳の藤村は道ならぬ恋に迷ったのだ。

やがて、この恋は学校内に知れわたってしまう。悲しみぬいた藤村は、職を辞し、漂泊の旅に出た

その2年後、藤村の愛した教え子は、許嫁と結婚する。しかし、それからわずか3カ月後、病で急逝した。彼女は死ぬまで藤村の写真を持っていたという。

一方の藤村は、漂泊の旅の途中でも女性と関係を持ったのだが、それについては触れないでおこう。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

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