くたばって仕舞え」二葉亭四迷

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

20代、お金にまつわる愚痴

二葉亭四迷(小説家)


1864年-1909年。本名、長谷川辰之助。言文一致体の小説『浮雲』やロシア文学の名訳で文学史に名を連ねる。内閣官報局の官吏、東京外国語学校教授などを経て朝日新聞特派員とし てロシアへ赴任。病に倒れ、帰国途中の船上で逝去した。

生活苦の末に下した決断とは

二葉亭四迷の『浮雲』といえば、言文一致体で書かれた日本初の本格的写実小説として、文学史の授業などでも必ずといってよいほど取り上げられる名作である。

ところが、作者の四迷は、どうやらこの作品のことが気に入っていなかったようだ。『予が半生の懺悔』という小文の中で、『浮雲』のことを

非常に卑下していた。今でも無い如く、其当時も自信というものが少しも無かった」

と回想している。それなら、世に出さなければよかったのだろうが、実は出さなければならない理由があった。それは「お金」である。

当時の彼は、まだ20代で、父が職を失い、実家は年金と貯金の取り崩しで生計を立てているという状態だった。

「親の臑を噛っているのは不可、独立独行、誰の恩をも被きては不可、となる。すると勢い金が欲しくなる。欲しくなると小説でも書かなければならん」

と、金のために小説を出すことになったのだが、気に入っていないものを出版することには心が痛んだ。

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人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
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