自分のことを恥ずかしいとか不純だと思ったとしても

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性や恋愛について考えるこの連載。これまで、森さんのもとには女性たちからの共感の声や、人には言えない悩みが多数寄せられてきました。今回は読者から寄せられたお悩みをもとに、森さんの想いを綴ります。

『アラフィフ作家の迷走生活』(途中、『アラフィフ作家の迷走性活』より改題)は、あと2回で終わります。ほぼ丸4年連載をさせていただく中、自爆ネタや自虐ネタを中心に、私自身の個人的な興味を赤裸々に綴ってきました。その間、私のもとにこっそりと悩み相談や感想を送って下さる女性達がいました。「恥ずかしくてリツイートやイイネができなくてすいません」と前置きしてくださる方も多数いました。

そうして控えめに届けられるTwitterのDMには、女性達の切なそうな息づかいが感じられたのです。悩みは私が発信したエッセイに「共感」「追及」した内容ばかりで、「私って変?」と躊躇しながらも「でも、私自身をつらぬきたい!」という確固たる意志がありました。

コロナ禍のせいか、最近は似たような悩みを持つ女性がいるようです。今回は、複数人からいただいた悩みを要約し、私の思いを綴ります。

セックスしないと老ける?

森美樹さん、はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
私はアラフォー、もしくはアラフィフに差しかかった年齢で、森さんと同世代です。コロナがきっかけで、お付き合いしている人と疎遠になり、結果、別れてしまいました。
私には仕事があるし、結婚願望も特になかったのに、別れたとたんに結婚したくなりました。というのも、彼と別れてから急激に体調が悪くなったからです。いわゆる更年期なのでしょうか。やはりセックスしないと老けるというか。このままひとりで老いるのも嫌なので、セックスだけの相手を探したいのですが、こういうのって不純でしょうか。

この悩みのポイントは、「セックスしないと老けるのではないか」「セックスだけの相手を探したいが、これは不純なのか」の2つです。

独身、既婚にかかわらず、身体を使わずして(性交渉なくして)老いていくのがこわい、と信じている女性がいます。老いていくのがこわいと「思っている」ではなく、あえて「信じている」と書きました。なぜなら、性交渉ってしなければならないものではないからです。

体調が悪くなったのは、セックスをしなくなったからとは限りません。性交渉がなくなったら更年期が早くくるというのは迷信です。アラフォー、アラフィフの女性は仕事、家族、介護、様々なストレスがおそってきますし、年齢的に見て体力も精神力も衰えてきます。

ただひとつ言えるのは、心の高揚やときめきがなくなると、やはり心のトーンもダウンする傾向にありますから、結果、老けてしまう、というのはあるようです。セックスが心の高揚やときめきにつながっていたのなら、老けた、と感じるのも一因でしょう。

もっと正直になっていい

そして本題ともいえる最後の一文、「セックスだけの相手を探したいが、これは不純なのか」。最初は別れた途端に結婚したくなった、と言いつつ、セックスだけの相手を探したい、とはこれいかに。いいえ、不純と言っているのではなく、結婚したくなった、というのが建前だった、というだけです。

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アラフィフ作家の迷走生活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや愛への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。アラフィフの今、自分自身の経験を交えながら、女性の性や愛を追...もっと読む

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