短所と云う程のものは 目に附かない」森鴎外

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにはおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど、現代人と変わらない不平不満です。ただただ情けない姿の数々。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の新著『人間愚痴大全』より特別公開します。

40代、人間関係にまつわる愚痴

森鴎外(小説家)

1862 年-1922 年。石見国津和野(島根県津和野町)出身。本名、林太郎。東大医学部卒業後、軍医となり、陸軍軍医総監にまで 出世。そのかたわら、小説『舞姫』『雁』『阿部一族』『山椒大夫』 『高瀬舟』や翻訳『即興詩人』などを残した。

鴎外と漱石の付かず離れずな関係

かの文豪・森鷗外が、もう一人の巨匠・夏目漱石について、一問一答の形式で論じた『夏目漱石論』という小文がある。その中の「その長所と短所」という項目では

「今まで読んだところでは長所が沢山目に附いて、短所と云う程のものは目に附かない

と、綴っている。ほぼ絶賛しているといってよい。この文章が書かれたのは1910年だから森鷗外は48歳、5つ年下の夏目漱石は43歳。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』などに続き『三四郎』『それから』『門』の三部作を発表したところである。

両者が最初に出会ったのは、これより14年ほど前、正岡子規が開いた句会での出来事だった。この時、鷗外はすでに軍医として活躍しながら『舞姫』『うたかたの記』などを発表し文壇の評価も高まっていた。一方、漱石はまだ一介の教員にすぎなかった。

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人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
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