歪みを直すための、自分勝手チャレンジ

仕事仲間や親子関係などで「対等であること」を大事にしてきたサクちゃん。最近では「自分勝手になること」にチャレンジしているのだそう。対等でありながら自分勝手になる。それって一体どういうことなのでしょうか?(毎週火曜日更新)

蘭ちゃんへ

こんにちは!
ようやくわたしの大好きな秋がやってきました。友人に立派な栗をたくさんいただいたので、今日はひたすら下ごしらえをしていました。栗は大好きなのですが、とにかく皮を剥くのは手が痛くて、毎年この労力と美味しさの取引です。まずは栗ごはんと、甘露煮にしようと思います。

昔から、読書の秋とかスポーツの秋などと聞きますが、暑くも寒くもないこの季節は、何をするにもちょうどよく、やる気が出やすいのだなと思います。栗の作業も、真夏の暑さや冬の寒さの中ではきっとくじけています。

この調子がいい時期を逃さずに、今のうちにあれこれ種まきのように仕掛けて、冬の自分を動かさないとな、と思います。

*ー*ー*

好きな季節を聞かれたら、即答で「秋」と答えますが、蘭ちゃんに前回の日記の中で「好きな天気は?」と聞かれて、すぐに出てきたのは「特にない」でした。しいて言えば、雨の日は体調が悪くなることが多いので、好きではないです。ただ、今の時期のような過ごしやすい気温と湿度の中ならば、晴れでも雨でも曇りでも、なんでもいいです。なので、好きな天気は「適温適湿の日」ということですかね。ひねくれものの答えっぽいけど、これが一番しっくりきます。

蘭ちゃんは雨の日が好きなんですね。たしかに、雨の日に家の中にいるとカプセルに守られているようで、落ち着くよね。

雨の日の安心感の裏にある、自ら行動を選択することが怖い、能動的に人生を作るのが怖い、というのは、わたしが子どもの頃に感じていたこととは真逆の感情です(また、真逆だね)。わたしは、自分で何も決められないことがとてもイヤで、苦しくて、早くぜんぶ自分で決めて自分で作りたい、と思っていました。

蘭ちゃんが雨の日に安心するのは、自分以外の誰かの行動を気にしなくて済むから、羨まなくて済むからなのだとしたら、他人と比べて自分を見てしまうクセがあるのかもしれないね。

コロナ禍のしんどさの中で「本当はもっと動きたい、でかけたい」と思えるようになったのは、「鎖に繋がれた動けない状況のしんどさ」から出てきた欲でもあるし、「他人と比べてしまうしんどさ」を跳ね返す欲でもあるように感じました。

*ー*ー*

わたしは、子どもの頃から他人と比べてしまうと全部の面で負けるので、いいことがないから、という理由で、他人と比べることを早いうちに諦めていました。勝負が苦手で、負けん気がないのも、同じ諦めからきています。

ここでも何度か書いたように、「他人と比べて持っていない」と悔しがる段階を経ずに、はじめから「自分にはないのだから仕方がない」と諦め、欲しがることさえしなかったのです。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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