わかる日本書紀

欽明天皇と聖明王のやりとりと、戦続きの日々【第29代⑨】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第4巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第29代、欽明天皇の御代のお話。

百済、日本に救援を要請

欽明八年四月、百済は日本に使者を派遣し任那復興の援軍を請いました。
そして、下部(かほう)※1トウジョウシゴン(東城子言)※2を人質として日本に差し出し、徳率(とくそち)モンクマナ(汶休麻那)※3と交代させました。

九年正月三日、百済の使者が帰国するとき、天皇は、
「要請の援軍は必ず派遣しよう。そう速やかに聖明王に報告せよ」
との言葉を託しました。

四月三日、百済は使者を日本に派遣し、欽明天皇に感謝の意を伝えるとともに、次のような懸念を表明しました。
「百済が要請している援軍をすぐ派遣するという天皇のありがたい仰せに、王は深く喜んでいます。
ところが、馬津城(ましんのさし)の戦い※4の時、百済が捕虜にした高句麗の兵士が『任那の安羅国と日本府が共謀して高句麗を引き入れ、百済を討つようにそそのかしたのだ』と申しました。
状況から考えるとあり得る話なので、その言葉の真偽を確かめようと安羅の王と日本府の役人を三回も呼びましたが、どちらもやって来ないので大変心配しております。
どうか畏(かしこ)き日本の天皇よ、本当に安羅と日本府が高句麗に内通しているか調べてください。
以前要請した援軍はしばらく百済に送るのをやめて、こちらの報告をお待ちください」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

日本のはじまりを知る。

この連載について

初回を読む
わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

jimotonohon cakes連載『わかる日本書紀』最新話更新されてます。ちょっと長いですが、国のトップ同士の大切なやり取りです。 https://t.co/1w2i8HA5vb 約2ヶ月前 replyretweetfavorite