料理のプロが台所に置く油をひとつ選ぶなら

家に置く油をひとつ選ぶなら、どれがいいのだろう? そんな疑問をもったことはないでしょうか。料理家の樋口直哉さんがオススメするのはオリーブオイル。さまざまな料理に使える、ほとんど万能な油だといいます。具体的にどの製品がよいのか、そして、どう使うのかについて解説します。

昔と今で大きく変わったのは油事情。種類が増えた油のなかで、大きく消費を伸ばしているのが『オリーブオイル』です。

「料理をはじめよう」という人がまず「油を1本買う」場合、これまではサラダ油というのが一般的でした。しかし、ご飯も食べるし、パスタも食べる、という現代の食文化にむしろ合っているのは「オリーブオイル」です。

オリーブオイルは油脂にはめずらしく、穀物やナッツからではなく、果実から絞られる油です。そのため風味がよく生食にも適しています。パックサラダを買ってきて「ドレッシングがない!」という状況になっても、オリーブオイルと塩があればおいしく食べることができます。

オリーブオイルの長所は生食でおいしいだけではありません。成分として一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が多いので「酸化されにくい」という特徴があるのです。酸化に強い=加熱に強い、ということなので、肉や魚を焼いたりするのにも向いています。

パスタとの相性はいわずもがなですが、実はオリーブオイルは和食にもあいます。しょう油をつけたお刺身に飽きてしまったら、オリーブオイルと塩で食べてみてください。焼き魚にオリーブオイルをかけるのもなかなかいけます。オリーブオイルはほとんど万能な油。台所に植物油を1本揃えるのであればオリーブオイルがオススメです。


オリーブオイルはどれがいちばん?

さて、オリーブオイルは何を選べばいいのでしょうか? スーパーに行くとあまりにもたくさんの種類が並んでいるので、よくわからず普段は「価格と量のバランスがなんとなく良さそう」な製品を手にとる方がほとんどでしょう。

まず、スーパーで売っているオリーブオイルのラベルには『エキストラヴァージンオリーブオイル(以下、EVオリーブオイル)』か『ピュアオリーブオイル』と表記されています。

オリーブオイルの分類はIOC(国際オリーブ協会)が定めた酸度や製法などによって分類された9種類の規格があります。

IOCの基準ではヴァージンオリーブオイルはオリーブオイルの実を絞り、遠心分離や濾過以外の工程をしていないもの。そのなかでも高品質なものをEVオリーブオイルと定義しています。一方、ピュアオリーブオイルはIOCの基準にはなく、たんに「オリーブオイル」という名前で分類されます。これは精製したオリーブオイルに未精製であるヴァージンオリーブオイルをブレンドしたもので、安価で手頃ではありますが、香りはあまりありません。

一方、日本は国としてはIOCに加盟しておらず、JAS法の規格では「オリーブオイル」と「精製オリーブオイル」の2種類にざっくりと分けられている状況です。味の素や日清オイリオなどの国内企業はおおむねIOCの基準に則ったオリーブオイルを販売していますが、統一規格が存在しないため、あまりに安い製品は避けましょう。なかには専門家が「ディフェット(欠陥)」と呼ぶ、カビ臭や腐敗臭などを感じるオリーブオイルもあるからです。

スーパーで買えるEVオリーブオイルもあまりに安いものでなければそれほど悪くはありません。今回、1本オススメするのはこちら。

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樋口さん、どれがいちばんですか?

樋口直哉

包丁、まな板、鍋、フライパン、塩や醤油などの台所に欠かせない品々について、食の博識・樋口直哉さんがベストと思う一品を紹介します。なぜ、それがベストなのかという理由や選ぶときのポイントを解説するので、これを読めば迷わず納得してその品物を...もっと読む

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