独習 教養をみがく#4】コロナの「現在地」を探る

この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2020年8月3日発売当時のものです。

【歴史】疫病史観の知見
コロナの「現在地」を探る

青山学院大学教授・飯島 渉

 いったい今、「起承転結」のどこにいるのか?

 新型コロナウイルス感染症が収まりそうもない。2020年7月下旬、世界での感染者は約1620万人、死者は約65万人となった(2020年7月27日現在)。2020年初めに顕在化したこの新興感染症は、最初は中国の問題かのように見えた。武漢市や湖北省での感染が拡大する中で、日本での関心は、もっぱら武漢市からの帰還と横浜港のクルーズ船の動向に集中した。

 しかし2020年3月には、韓国や日本、欧州でも感染が拡大し、WHO(世界保健機関)はパンデミックを宣言した。とくに、イタリアとスペイン、英国での被害が目立った。日本でも2020年4月に緊急事態宣言が出され、可能な限り自宅で仕事や生活をする行動変容が求められた。

 日本での感染の拡大はかなり抑制され、2020年5月には緊急事態宣言も解除された。こうした経緯から、「起承転結」でいえば「転」あたりにいるのでは、という想像に至ったのではないか。

 実際には、米国での感染が再び拡大し、ブラジルなどの南米諸国、インドや南アフリカなどでの感染の拡大が止まらない。「米国の失敗」(感染者約423万人、死者約14万7000人、2020年7月27日)は明らかである。こうした中で、日本でも東京を中心に再び感染が顕在化し、予断を許さない状況になってしまった。

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