やる気はあるのにダラダラしてしまう理由

12,000人以上を「行動できる人」に変えた専門家、大平夫妻が、一流アスリートのルーティンを応用し、脳科学・心理学に基づいた、「仕事の現場で使えるルーティン」を50にまとめました。場面別で、どんな職場でも必ず使える「小さな習慣」で、いつでもどこでも、ダラダラ気分を抜け出し、「仕事モード」になれること、うけあいです! 『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣(サンクチュアリ出版)』より全文公開。

やる気はあるのにダラダラしてしまう理由

本書は、脳科学や心理学に基づいた、「ルーティン」と呼ばれる簡単な習慣で、「ダラダラ気分を一瞬で変え、いつでも仕事モードに入る方法」を書いた本です。そんなにうまい話があるわけがない。そう思う方もいるかもしれません。なぜなら、ビジネスパーソンの多くが、できればストレスなく、気分よく、サクッと仕事を終わらせたいと思っているのに、現実はそうはいかないからです。


・土日の間にたまったメールの山を見て、なかなか返事を書く気にならない
・上司にガミガミ怒られたあとは、しばらくどの仕事も手につかない
・どこから手をつけていいかわからず、企画書の作成が止まっている
・目の前の仕事に精一杯で、先のことが見えずにやる気をなくしている
・締め切り前の仕事がなかなか進まなくて、もがき苦しんでいる

いままで、こんな経験はありませんでしたか?
安心してください。そんなあなたにこそ、ぜひこの本を読んでほしいのです。

ダラダラしてしまうのは、何もあなたが悪いわけではありません。あなたがダラダラしてしまうのには、ちゃんとした理由があります。じつは、あなたが「コントロールできないものをコントロールしようとする」から、気疲れしたり、心が折れたりしてしまって、仕事がはかどらないのです。

これを、アドラー心理学では「課題の分離」といいます。あなたがコントロールできるものは、あなたの課題としてとらえる。相手にしかコントロールできないものは、相手の課題としてとらえる。このように境界線を引くことで、あなたが具体的にすべきことが明確になっていくのです。

私たちにコントロールできないものは何か?
逆に、コントロール可能なものは何か?
それを知れば、ダラダラしがちな自分にも「対策」を立てられます。

一流アスリートが実践する「ルーティン」を仕事に生かす

そこで、オススメなのが「ルーティン」です。「ルーティン」という言葉をご存知ない方でも、ラグビーの五郎丸選手がキックの前にする一連のアクションや、イチロー選手が打席に入る際にするアクションだといえば、思い当たるかもしれません。一流アスリートが集中するために行なっている一連のアクション(=ルーティン)を、私たちビジネスパーソンも取り入れるといいのです。

本書では、いわば「仕事のルーティン」を、具体的なシチュエーションに合わせて50個ご紹介します。

それぞれのルーティンは、長くても1分以内でできるものばかり。朝起きたあと、出勤途中、メールを返したり企画書を作成したりする前など、ルーティンを行なうだけで、ダラダラ気分を断ち、仕事に集中できる状態を手に入れられます。

こう説明すると、
「ルーティンは、ごく一部のトップアスリートだけのもの」
「自分だけのルーティンを考えるのは難しそうだから、私には関係ない」
と、思った方もいるかもしれません。
たしかに、あなたの仕事のスタイルに合わせて本格的な「オーダーメイド」のルーティンを作るのは、なかなかハードルが高いことです。
ただ、洋服にも「既製品」があるように、ルーティンにも完成ずみで、すぐ使えるものがあってもいい。そう思って、本書では多くのビジネスに共通する場面を取り上げ、誰でもいますぐ使える50個のルーティンとしてまとめました。


誰もが知らずに「ルーティン」を行なっている

ところで、「ルーティン」というと、いまから新しく取り入れるものと思われた方もいると思います。
ですが、じつは私たちがそれと知らずに行なっている「ルーティン」は存在するのです。
代表的なものが「勝負服」です。

あなたも、絶対失敗できないプレゼンや大事な商談など、「ここぞ」というときに、勝負服に助けられたことはありませんか?
たとえば、赤のネクタイ、お気に入りのアクセサリー、ワンランク上のシャツやビシッと決まるスーツ……。このような勝負服を着ることで、戦闘準備態勢が整い、「よし、やるぞ!」というスイッチが入ります。あらかじめ決めておいた服を着ることで、「ここぞ」という場面に向けて、心身ともに準備しているのです。効果として、プレゼンや商談をスムーズに始められ、成功率が高まります。

ただし、勝負服というルーティンがあるからといって、常に仕事の結果がうまくいくわけではありません。ベストを尽くしたからといって、いつも試合に勝てるわけではないのと同じです。

ところで、「明日の商談で成約したいから、カツ丼を食べる」ことなどを、「ゲン担ぎ」といいます。ゲン担ぎは、これから行なうことがいい結果となるように祈願の意味を込めてする行動のこと。
ルーティンは、本番で実力を発揮するための合理的な手段です。ゲン担ぎとルーティンは、一見似たような仕草だとしても、まったく違うものです。

勝負服の効果は、北京オリンピックで6位入賞した、アーチェリー日本代表の守屋龍一選手の協力で行なわれた、テレビ番組の実験でも証明されています。守屋選手が試合で着る勝負服は、黒いアンダーシャツと白いシューズ。そこで、色だけ違うほぼ同じシャツとシューズを身につけ、本番と同じようなプレッシャーの中でプレーしてもらい、勝負服での結果と比較したのです。

まずは勝負服で挑んだところ、見事5本すべて成功。ところが、違う服で残り5本に挑戦すると、1本目で外してしまったのです。これは、勝負服は重いプレッシャーの中でこそ威力を発揮するということを証明しています。
なぜ、重いプレッシャーの中でこそ、勝負服というルーティンは威力を発揮するのか。それは、毎回、同じ服装をすることで、不安や緊張を少なくする効果もあるからです。

誰にでも、自分に自信を与えてくれたり、落ち着けたり、気合いが入る服があるように、私たちも、すでに無意識でルーティンを活用していることも多いのです。
ルーティンは、特別な一部の人のための「儀式」ではありません。脳科学や心理学に基づいた「技術」です。技術なので、誰でもコツさえつかめば、できるようになります。

さらにいうなら、ルーティンをマスターするには、お金も道具も必要ありません。ルーティンは、あなたもいますぐ実践できる手軽な技術なのです。


「ルーティン」でいつでも「仕事モード」に

本書は3部構成になっており、STEP1では「あなたがダラダラしてしまう理由」、STEP2では「効果的なルーティン50」、STEP3では「ルーティンを身につけたあと、どうするか」について書いていきます。 STEP1を読めばルーティンが効果的な理由をより理解できますが、すぐにでもやる気を出したいという方は、STEP2からご覧いただき、すぐに具体的なルーティンを学んでいただいても構いません。

自己紹介が遅くなりましたが、私、大平信孝は目標実現の専門家として、5500人以上の夢実現をサポートしてきました。ロンドンオリンピック出場選手のメンタル面や、日大馬術部2年連続総合優勝をサポートした経験があり、そこで得た知見や、これまで学んできたアドラー心理学・脳科学を生かして、効果的なルーティンを考案してきました。

また本書は、仕事上でも最高のパートナーである妻・朝子も、理論の構築・執筆を行なっています。妻は、問題解決の専門家として、女性経営者のメンタル面とビジネス構築のコンサルティングや、私の主宰するコーチングスクールの講師を務め、これまで2300人以上のサポートをしています。
男性だけでなく、女性も活用できるルーティンについて執筆するには、妻の存在が欠かせませんでした。そのような共同作業で執筆した本ですので、特別な場合を除き、「私」という主語を使っています。通常のスポーツ選手は練習や試合当日にだけルーティンを活用します。しかし、一流のトップアスリートと呼ばれる選手は、日常生活にもルーティンを適用しています。

本書は、日常生活から、計画的・継続的にルーティンを活用できるような内容にしました。いつでもどこでも、望むときに「仕事モード」に入るための武器になります。

本書を読んだあなたが、いつでもパチッと「仕事モード」に切り替わるルーティンの力を手に入れ、毎日を生き生きとすごしていただけたなら、とても嬉しく思います。


つづく

*本連載は大平信孝/大平朝子・著『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣気分』(サンクチュアリ出版)を再編集したものです。

意志が弱くて自分を変えられない人へ。ダラダラ気分を簡単なルーティーンで解決!

この連載について

ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣

大平朝子 /大平信孝

人間は機械ではないので、「意志が弱い」「イヤな気持ちを引きずる」「後回しグセがある」のは当たり前です。でも、安心してください。この連載でご紹介していく「ルーティン」を実践すれば、そんな気分が一瞬で変わります。 12,000人以上を「...もっと読む

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pkp_coach_nobu 【最新ランキング3位】 |大平信孝 @pkp_coach_nobu /大平朝子| 12日前 replyretweetfavorite