16年後の子どもたちへの手紙「生まれてきたことは偶然ではない」

突然の離婚により、娘ふたりを育てることになった女装が趣味の小説家。「シングルファーザー」になってみると、彼にはこれまで想像もしなかったことが待ち受けていた……。本連載もいよいよ最終回。今回は、仙田さんが大人になった未来の子どもたちへの手紙を綴ります。

君が生まれてきたことには一片の偶然も含まれていない


photo by tsu234ta on photo AC

約1年半にわたって続けてきたこの連載は、今回で最終回を迎える。
前回は小3と小1のふたりの子どもを育てるシングルファーザーとして、現時点での子育て観をまとめてみた。
今回は、子どもたちに託した思いを、大人になった頃の子どもたちへの手紙という形でまとめてみたい。

20世紀前半のフランスの作家であり、シュルレアリスムの提唱者であるアンドレ・ブルトンは、著書『狂気の愛』の末尾を、生まれたばかりの娘オーブの16年後に宛てた手紙で結んでいる。
そのなかに、
—君が生まれてきたことには一片の偶然も含まれていない

という一節があり、初めて出会った20歳の頃、私は大きな衝撃を受けた。
いつか誰かと出会い結婚して、子どもを授かるかもしれない。
誰と出会うのかも結婚するかどうかも、子どもが生まれるかどうかも、無数の偶然の重なった結果だ。
そうした偶然の連なりのなかで行ってきた無数の選択が全て何らかの必然性に裏打ちされているとわかれば、人生が丸ごと肯定された気がするだろう。
そんなことを子どもに伝えられるには、どのように生きればいいのだろう。

20歳の頃に抱いたこの疑問を、私は46歳になりシングルファーザーとしてふたりの子どもを育てている今も抱き続けている。
いわば人生の宿題を与えてくれたブルトンにならって、私も16年後の子どもたちへの手紙をこの連載の最後に書きつけておこう。

16年後の子どもたちへの手紙


photo by photoB on photo AC

16年後、君たちは24歳と22歳になっているね。
大きなケガや病気もなく暮らしているだろうか。
君たちが元気で生きていてくれれば、パパはそれだけで嬉しい。

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女装パパが「ママ」をしながら、家族と愛と性について考えてみた。

仙田学

突然の離婚により、娘ふたりを育てることになった女装趣味の小説家。「シングルファーザー」になってみると、彼にはこれまで想像もしなかったことが待ち受けていた。仕事と家事・育児に追われる日々、保育園や学校・ママ友との付き合い、尽きることのな...もっと読む

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コメント

shu_alter 近しい人へ送る人生のみちしるべの言葉。 27日前 replyretweetfavorite

7overlap 愛が深い… 私は娘にこんな手紙を書けるだろうか 27日前 replyretweetfavorite

sendamanabu cakesの連載。最終回の今回は、16年後の子どもたちに宛てた手紙を書きました。 https://t.co/tr7H4uOGLp 27日前 replyretweetfavorite

6CGVLiM3eMjgKiU 16年後に仙田さんが親子で目を通す姿を想像しました。きっと良い日になりますように、仙田さんご自身もお体に気をつけて!私もまた健康で、その時の感想を拝見することが出きれば嬉しいです。 https://t.co/hRND4rzHVn 27日前 replyretweetfavorite