ちゃんと聞くために、関心を向ける矢印の方向とオンオフに自覚的になる

「聞く力」について対話を重ねるサクちゃんと蘭ちゃん。「どのようにして雑談相手に関心を持っていますか?」という蘭ちゃんの質問に対して、サクちゃんが答えたのは一つには時間を作る、もう一つはメディアでの「お悩み相談」の仕事をお断りしているところに理由にありました。

蘭ちゃんへ

こんにちは!東京はここ数日とても涼しい日が続いています。過ごしやすいのはいいのだけど、8月にこの涼しさと長雨はちょっと異様で、これはこれで調子が狂います。気圧の影響か、体調が悪くなることも多くて参っちゃいます。暇さえあれば、ストレッチポールや筋膜ローラーで硬くなった身体をほぐすようにしています。

このコロナ禍で、心と身体は連動しているとつよく実感するようになりました。外出自粛でずっと家の中にいて運動不足になると心も弱ってくるし、行動範囲や人間関係の範囲が狭くなると身体の可動域も狭くなるのを感じます。ものすごく制限されてバランスが悪い不自然なことをしているんだなと、改めてわかります。身体がSOSを出すってこういうことだなと。ほんと、いやになっちゃうよね。

*ー*ー*

さて、蘭ちゃんの「聞く」についての話、おもしろく読みました。相手の話をちゃんと聞くことで、ひとりでは行けない、ふたりでしか行けない場所に行けて、自分も相手も世界が広がる感じが伝わってきました。きっといいインタビューができるんだろうな。

そして、「『聞く』は受動と能動の両方を必要とするものなのだと思いました」と書いていましたが、自分の「聞く」を思い返すと、たしかに「ちゃんと聞く」をする、というような能動的な行為ですね。

自分が聞いているか聞いていないかのオン/オフに自覚的だったとも思います。

わたしはどうも極端な性格なので、子どもの話を聞くときに「聞き流すくらいなら聞かないほうがマシ」と思っていました。だから、子供が何か話しかけてきたときに、自分が何かに集中していたり、他のことを考えていて気分が乗らない状態のときは「ごめん、ちょっと今聞けないから後でもいい?」と断り、聞ける状態になったときに「さっきの話、聞くよ」と仕切り直して「聞く」スイッチをオンにしていました。

こう書いてみると、ずいぶん自分勝手なオレタイミングですが、「相手のために」と聞いているフリをするよりも、「聞く気はあるが今じゃない」と正直に言った方がいいと考えます。

相手の話したい気持ちとこちらが聞こうとするタイミングがズレることもあります。家族のように一緒にいる時間が長いと、いつでも話せるからと後回しにしたり、まあいいやとそのまま流れてしまったりします。いつどんなときもちゃんと聞くのは超人な行為なのでムリだし、「話す時間(聞く時間)」を意識的につくらないといけないなと思って、そうしていました。

これは、「目の前の人に関心を持つ、ってすごく難しい。サクちゃんはどのようにして、雑談相手に関心を持っていますか?」と聞いてくれた質問のお返事にもつながります。

相手に関心をもって話を聞くためにすることは、まず「時間をつくる」です。雑談を仕事にしているのも、いつでも誰の話でも聞けるわけではないので、90分間目の前の相手のためだけに使う時間をつくります。

普段人と話すときに聞き役に回ることが多く、あまり自分の話をしないタイプの人が「自分の話のために相手の時間をもらうのが申し訳ない」と言うのをよく聞きます。話すことに抵抗があるのではなく、話し出す手前ですでにひっかかっているのです。

だから、「この90分間は絶対にあなたの話を聞く時間です」と、相手に安心して話してもらえる時間をつくることが大事だと考えています。相手が安心することで、わたしも安心して相手に関心を持ち続けることができます。

*ー*ー*

では、会話がはじまってからは、関心を持ち続けるために何をしているか。ちょっと思い返してみました。

早速ちょっと話がずれるのだけど、「お悩み相談に答える」というコンテンツがあるじゃないですか。わたしは鴻上尚史さんやみうらじゅんさんとかの人生相談を読んで、なるほどと思ったり、ふざけた視点に救われたりしたことが何度もありました。

だけど、そういった「読者の相談文を読んで、文章でお返事を書く」という形式のお仕事の依頼があったとき、わたしはどうしてもできなくて、お断りしていました。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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