​不動産屋さんにコロナ禍の現状について聞いてみた

今回の「ワイングラスのむこう側」は、街をよく知る不動産屋さんに林伸次さんが直接聞いた、コロナ禍の現状について。いつもと趣向を変えて、インタビュー形式でお届けします。

空き物件が増えてしまう理由

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今日はいつもと趣向を変えて、渋谷で30年間に渡り不動産屋さんを経営している方に、新型コロナで渋谷はどうなったかというのを聞いてきました。インタビュー形式でお届けします。

−−やっぱりコロナで飲食店は大変ですか?

不動産屋 この周辺(bar bossa周辺のいわゆる「奥渋谷」と呼ばれる地域)では、そんなにひどい影響はないんじゃないですか。

−−え? でも、○○も△△も潰れてしまったし、新築の空き物件が結構目立ちますよね。

不動産屋 それはですね、最初から家賃がすごく高いからなんです。最近はサブリースっていう、大家さんから物件を借り上げて、それを又貸しする業者が増えたんですね。例えばこの辺だと、本当は坪単価2万円が相場なんですけど、そういう空いている物件はだいたい坪単価5万円くらいなんです。

−−えええ、それは高い。読んでいる人に説明すると、お店の家賃って坪単価で考えるんですね。例えば、有名で人がめちゃくちゃ集まる渋谷センター街は、坪単価10万円が相場らしいです。4坪で40万円の家賃を払っても、24時間人であふれているのでタピオカ屋やブレスレット屋をやればじゅうぶん儲かります。

不動産屋 そうですね。ここはセンター街と少し離れるので、この辺で坪単価5万円だと高過ぎなんですけど、事情をあんまり知らない人が、どうしてもこの辺りでやりたいって考えて、この坪単価5万円の物件でお店を始めてしまうんです。

−−例えば坪単価2万円、10坪20万円なら、bar bossaみたいに誰も雇わないでそこそこ儲かるような場所なんですけどね。

不動産屋 それが、例えば10坪50万円の物件を借りてしまうと、すごくたくさん従業員を雇って、ランチ営業をやって、夜も2時とか4時まで営業して、さらに日祝も営業してっていう、すごく無茶な営業をして、やっと家賃が払えるっていう状況になってしまうんです。それで成り立っていたんですが、コロナが来てしまって、「もう無理」ってことで撤退が増えているというわけです。

−−サブリースってなかなか考えものですよね。うちの店は確か契約上又貸しができないようになっていたはずです。

不動産屋 以前は又貸しできない契約が多かったんですが、今は又貸ししてもいい契約をして、テナントを借り上げてもらったほうが更新料や家賃が入ってきて楽って考える大家さんが多いんです。

−−その方が大家さんも懐が傷まないですもんね。

不動産屋 だけど僕はお客さんに、この辺りで坪単価5万円って高過ぎで難しいですよって忠告するんです。でもどうしてもこの辺でやりたい、この家賃でもやれるって人が多いんです。

コロナで打撃を受けた業種、受けなかった業種
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

林さんの小説が文庫化されました

ケイクス

この連載について

初回を読む
ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

10ricedar 渋谷はつまらなくなってきてる 止まってくれ 東京は、街や駅によって雰囲気が全然違うのがおもしろいのに 不動産屋さんにコロナ禍の現状について聞いてみた| 2ヶ月前 replyretweetfavorite

amgs6500 https://t.co/1gXgPnVUnq 2ヶ月前 replyretweetfavorite

__comfort__ 不動産屋さんにコロナ禍の現状について聞いてみた|林伸次 @bar_bossa | 2ヶ月前 replyretweetfavorite

HwLBXImngExo3WX 他業種の話は興味深い❣️ 不動産屋さんにコロナ禍の現状について聞いてみた| 2ヶ月前 replyretweetfavorite