わかる日本書紀

狼の喧嘩を仲裁したことが報われ、なぜか大蔵省に就任【第29代①】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第4巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第29代、欽明天皇の即位のお話。

ハダノオオツチの夢

ヒロニワ[天国排開広庭天皇=第二十九代欽明(きんめい)天皇]は、継体(けいたい)天皇の嫡子で、母はタシラカ(手白香)皇后※1といいます。

継体天皇はこの皇子を愛して、いつも側に置いていました。
ヒロニワ皇子が幼いときに見た夢の中で、ある人がこう言いました。
「皇子がハダノオオツチ(秦大津父)※2という者を厚遇なされば、成人して、必ず天下をお治めになるでしょう」
目が覚めて、全国に使者を遣わし探すと、山背国(やましろのくに)※3の紀伊郡(きのこおり)の深草里(ふかくさのさと)※4で見つかりました。ヒロニワ皇子は喜びのあまりため息をつき、ハダノオオツチを呼んで尋ねました。
「お前の身の上に、何か特別な出来事はなかったか」
ハダノオオツチは、答えて言いました。
「はい、そう言えば商いで伊勢に行った帰り道、山道で二匹の狼が血を流しながら咬み合っているのに出会ったことがあります。私はすぐ馬から降りて、
『貴い神が、こんな荒々しいことをしてはいけませんよ。もし猟師に見つかったら、たちまち捕えられてしまいますよ』
と言って、狼たちが咬み合うのを押しとどめ、血に濡れた毛並みを拭いて放してやり、二頭とも、その命を助けたことがありました」

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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jimotonohon cakes連載「わかる日本書紀」、今回から最新第4巻の内容に入りました! https://t.co/sjaFqwTvXv 2ヶ月前 replyretweetfavorite