​おごる、おごられるは時代遅れになるのか

今回の「ワイングラスのむこう側」は「おごる/おごられる」問題を考えます。お金だけでなく人間関係も絡んできてしまうこの問題、どのようなルールがあるのでしょうか?

飲食店を悩ませるお会計問題

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

僕が25歳の頃、ブラジルのバイーアのピザ屋さんで、女性10人くらいと食事をしたことがありました。みんな年上の女性で、僕はどう見ても外国人だったのですが、ウエイターは僕のところにお会計を持ってきたんです。「ああ、唯一の男性に持ってくるんだなあ」と思いました。

これ、飲食店で働いている方、どうされていますか? お会計の伝票、どの人に持って行きますか? ちょっと難しい問題ですよね。僕のブラジルでの経験に限らず、東京のレストランでも「一番年上の男性にもっていく」って場合が多い気がするのですが、女性が男性に対して接待で来ているのが明らか、ってこともあります。

bar bossaにいらっしゃる出版関係だと、若い女性編集者と年輩の男性作家なんて組み合わせを見ることも多かったので、うーん、どっちにお会計を持って行けば良いんだろう、って悩みました。以前は接待している人が接待相手に金額を見せたくないから、間違って接待相手にお会計を持って行くと叱られることもありました。

僕がバーテンダー修行を始めたのは1995年で、まだその時期はバブルの残り香があったんですね。だから恋人同士の男女で来店したら、お会計は男性に持って行くのが普通でした。

もし割り勘だったとしても、その場で「6000円だから3000円ずつ」とか言ったりしないで、まず男性が全部払って店を出たあとに女性が男性に「いくらだったの? じゃあ3000円ね」ってお金を渡すのがバーでした。それによって、「支払いの時に、ごちゃごちゃ言わない。誰かがスマートにサッと払う」っていう雰囲気になっていた部分もあるんですね。

会計のルールを考える
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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

junnoz 飲食店の人、すごく気をつかうんだろうな… https://t.co/WLYynaWUsG 3ヶ月前 replyretweetfavorite

Orange__People おごる、おごられるは時代遅れになるのか|林伸次 @bar_bossa |ワイングラスのむこう側 https://t.co/ykTK2wo9ao 3ヶ月前 replyretweetfavorite