サクちゃんへ
こんにちは。
先日『すばらしき世界』という映画を観ました。役所広司が、出所したての元ヤクザを演じている映画なのですが、サクちゃんは観ましたか?
まあ本当に素晴らしい映画で、数日経った今でも思い出しては涙ぐんでいます。心の柔らかい部分にめりめりと杭を打たれたような気持ちです。
その主人公が、まさにいま私たちが話しているテーマ「感受性」の強い人でした。感受性というと、繊細でおとなしい人を想像しがちだけれど、そうとは限らないんですよね。感受性が強いからこそ、曲がったことや間違ったことに敏感になる。そういうことが許せなくて、つい首を突っ込んで大暴れしてしまう。ああだめだ、思い出したらまた泣けてきました……。あの映画こそ、わたしの「感受性」を刺激してきます。
「感受性は自分を知ること、知性は他人を思うこととつながっている」
前回の日記でサクちゃんが書いていたこと、まさにその通りだなと思いました。この言葉を読んでから『すばらしき世界』を観ると、またひとつ違う視点で観ることができ、さらに泣いてしまいそうです。
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あーちんがクラスのギスギスした雰囲気を、「今は、みんながトゲトゲを投げ合っていて、刺さると痛いから、刺さらないようにカチカチに硬くなっている人がたくさんいる」と表現した話、とても印象的でした。
「カチカチ同士は仲良くなれないし、それだといいことがないから、あーちんはポヨポヨのゼリーになろうと思う。トゲトゲは刺さらないけど跳ね返さずに受けられるし、カチカチだった子もポヨポヨなら怖くないから寄ってきてくれるから」
本当に、なんていいアイデアなんでしょう。この時のあーちんの素晴らしいところは、現状を自分なりに的確に捉え、次にどうしたらいいのかまで考えられたところですね。もし思いつかなかったとしても、現状を自分がどう感じているのか捉えられている時点で、人に相談することができる。「感じたことを表現できる人」は、自分だけではなく人にも共有できるから、傷ついても助けを呼べたり、手当ができるのかもしれません。
週末、長男が通う塾の紹介で、親向けのコーチングセミナーというのが無料で開催されていたので、参加してみました。内容は、家庭内で親が子供にどう接すればいいかを教えてくれるというものでした。
なんで参加したかと言うと、なんともお恥ずかしい話、わたしが相変わらず息子にめちゃくちゃ怒ってしまうのです。宿題がどうの、忘れ物がどうの、一日に何度も怒ってる。まさにあーちんの言う「トゲトゲ・カチカチ状態」。家の中が殺伐とした雰囲気になっていて、冷静になってからいつも猛省しています。
それでどうにかせねばと、コーチングセミナーを受けてみたわけです。その中で印象的だったのが、「子供の話を傾聴しよう」という項目での話でした。そのためには、相手が安心して話せる環境を親が作らねばなりません。
「抱えている問題を人に『話す』と、自分から問題を『離す』『放す』ことができる」
すると、子供は問題に対して客観的になることができ、解決へ向かうことができる、というのです。それを聞いて、なるほど、と思いました。
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