お墓とお寺のイロハ#7】「墓じまい」の傾向と対策

この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年8月5日発売当時のものです。

 先祖代々のお墓など、祭祀財産を引き継ぐことを「承継」という。祭祀(さいし)財産は、遺言などで指定されていない限り、慣習に従い配偶者や子どもが承継者になるのが一般的。ただお墓は、仏壇や位牌と違い、承継者を決めて名義変更をする手順を踏む必要がある。

 多くの墓地では、承継の範囲を「〇〇親等以内」などと規定していることが多いが、家族関係が多様化する中、承継者の範囲については規定外の場合でも個別に相談に応じるところが増えている。

 お墓は購入する際に、永代使用権が設定されていて、管理料や護持会費(寺院を維持するための会費)を納めている限りはその権利を有する。しかし、管理料などの納付が滞ったうえ、墓地使用権者との連絡が途絶えてしまった場合は、一定の手続きの下、無縁の墓として整理される。

 その無縁の墓が問題となっている。地方の墓の無縁化は社会問題にもなり、2013年に熊本県人吉市が市内の墓地を調査したところ、約4割が無縁墳墓だったと判明したことは衝撃的だった。

 青森市西部にある三内霊園でも、無縁仏として無縁塔に安置される遺骨が18年度は68体と過去最多になったという。無縁の墓の全国的な統計データはないが、厚生労働省によると、無縁となって遺骨が取り出され合葬墓などに移動された「改葬」の件数は、2017年度で約3300件に上る。

 無縁になる前に、遺骨を移したり、墓を整理したりしておこうという人が増えている。既存の墓から遺骨を取り出して別のお墓に改葬する数は増加傾向にあり、2009年度の約7万2000件に対し、2017年度は約10万4000件だった。その中には「お墓が遠方にあるため墓守ができない」「継ぐ人がいなくなる」などの理由で「墓じまい」をするケースもある。

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