女になりたいときに読みたい本

この連載では、文芸オタクの三宅香帆さんがシチュエーションに合った本を独断と偏見をもって「処方」していきます。第三回は、太宰治の『女生徒』を読み解きます。自分ではない何かになる体験をさせてくれるのも、小説の良いところ。太宰はどんな気持ちでこの小説を書いたのでしょうか。著書『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』から特別収録。

03. 女になりたいときに読みたい本


『女生徒』
太宰治 ( 角川文庫、二〇〇九年)

効く一言
きっと、誰かが間違っている。わるいのは、あなただ。

「女の子」という名称に過剰に託された期待が嫌いだ。

なんだか、女の子には無限のパワーがあるとか、女の子文化とか、そういう言葉がいつの間にか蔓延している。気がする。私の気のせいだろうか? それとも私の身の回りに多いだけなのか。

あまり多くの人にわかってもらえない前提で言うけれど、私は、女の子、というときの妙な優越感と自意識の肥大化を許してしまう空気が嫌いだ。

無駄に女の子に期待する文化。女も男も、である。宮崎駿はいつまでナウシカに世界を救っていただくつもりなのか。秋元康はいつまで女の子に被災地訪問させるつもりなのか。

いや自分で救えよ、自分で行けよ、女の子に変な期待を、するな~~~! と、妙に凶暴な気分になる。まったく女の子も女の子だ、自意識を肥大させて許されるのは中二までだろ! フリルとファンタジーの世界に甘えんじゃねえ! と頭をはたきたくなる。

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副作用あります!? 人生おたすけ処方本

三宅香帆

「○○なとき」→こんな本を処方、という形式で書評していきます。 《効用一覧》 ディケンズ『荒涼館』→「まっとうに生きよう…」と仕事へのやる気が起きます。 司馬遼太郎『坂の上の雲』→おじさんおばさんであることを受け入れられます。 ...もっと読む

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コメント

10ricedar ほんと文章おもしろい 2ヶ月前 replyretweetfavorite

zJU5xLbK6ftfooh ダザイはイヤだけど「女生徒」で恐れ入った。 こういうものが書けるからこそ実生活で彼に惹かれる女性が引きも切らない(?)のも無理からぬこと、とシャッポを脱いだ。 でも今被り直した。 https://t.co/SECTOOH1DX 3ヶ月前 replyretweetfavorite