傷ついたときは前向きに「逃げる」

「傷つかないように強くなるより、傷つく場所、人から離れることを選択している」というサクちゃんの日記を読んで、蘭ちゃんも学生時代、そんな選択をしたことを思い出したのだそう。自分がどういう性質でどのような場所にいるべきか、何を選べば自由になれるのか。蘭ちゃんいわく、その答えは「感受性」にあるようです。(毎週火曜日更新)

サクちゃんへ

こんにちは。

昨日、新型コロナワクチンの1回目を打ってきました。左腕に打ったのですが、夜から二の腕がめちゃくちゃ痛くなって、タオルケットが触れるのすら辛い。服を脱ぎ着したり、お風呂でシャンプーするのもきつかったです。一晩明けて今はほんの少しマシになりました。

2回目の副反応はどうなることやら。ちょっと心配ですが、早く免疫をつけて、サクちゃんに会いに行きたいです。また一緒にお酒飲みたいですね。

ー・-・-

「傷つかないように強くなるのではなくて、傷つく場所や傷つける人から離れて、傷つかない環境に移動し続けています」
サクちゃんのこの一節を読んで、自分の中学時代のことを思い出しました。

中学時代はわたしにとって結構辛い時期でした。友達関係でずっと悩んでいたように思います。周りとノリが合わないのはまあ仕方ないのですが、よくいじられたり陰口を叩かれたり、母が韓国人であることに対し差別的な言葉を投げつけられたこともあって、本当に学校に行くのが嫌でした。グループ行動をやめて孤高を貫けたらいいのにと何度も思いましたが、そこまで強くもありません。休憩時間や教室移動を一人で過ごしたくない。周りから見たときに「ひとりぼっちだ」と思われたくない。だから何とかやり過ごしていました。

とは言え、傷つけられたりナメられるのは我慢なりません。パシリに使われるのは嫌だったので頑なに断っていたし、母の国籍のことをからかわれたときには「不快だからやめてほしい」とはっきり相手に言いました。
歯向かうと、「ノリが悪い」とか「おもしろくない」とか「変人」とか理不尽なことをいろいろ言われましたが(今思い返すとほんと意味わからないですね)、自分の大事な部分が侵されると感じたことに対してはちゃんと拒否できた。あの頃の自分に対し、そのことだけは褒めてやりたいと思います。

一人ひとりは、悪い子たちではありませんでした。集団になると、誰かをいじらないと不安だったのだと思います。下位を作ることで優位に立つ、みたいな。悪い子ではなかったけれど、弱い子たちだったのだろうなと今は思います。

とはいえ「ここにい続けるといつか壊れるな」というのは、確信をもってわかっていました。不幸中の幸運にも、一番しんどいコミュニティに当たってしまったのが中三だったので、「この子たちが行かない高校へ行こう」と心を決めて猛勉強しました。

わたしを傷つける人がいないところへ行こう。怖がらなくても済む場所へ行こう。
そう思って、わたしは自分の居場所を変更したんですね。その後、無事合格した高校では、素敵な友達がたくさんできました。

それはとても前向きな「逃げる」だった、と思っています。

ー・-・-

うちには小4の長男がいるのですが、彼が2年生だった頃、「学校に行きたくない」と言ったことがありました。友達が彼に対して、きつい言葉を投げつけたり、軽く暴力を振るったりするのだそうです。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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