ホームルーム】君たちはどう稼ぐか/村口和孝先生

高校生に商売のプロたちが本気で講義を行ったイベント「ハイスクールショーバイ!」。みずから応募して全国から集まった20人の現役高校生たちに、主催者の柿内芳文さんが檄を飛ばしたあと、アドバイザーである「伝説の投資家」村口和孝さんが、ホームルームとして渾身のアドバイスを授けました。どこよりも刺激的な〝商い教室〟の、スタートです。

※この記事は、去る2019年の夏に開催されたイベントの「実況中継」です。記載内容は全て開催当時のものになります

イベント主催者からのメッセージ

こんにちは、編集者の柿内です。ちょっとまだみんな顔が固いね、僕も固いし。村口さんのホームルームを始める前に、主催者として5分だけ話をしたいと思います。

でもさ、こういう何をやるかよくわからない怪しい場所に来てくれて(笑)、本当にありがとうございます。5人の先生が授業するよっていうのと、ガチでショーバイ体験してもらうよってこと以外、ほとんど情報を伝えてないからね。みんな、よく来たと思う。

 (告知の情報はこれだけ)

これからみんながやることは超シンプルで、原資をもとに、自分たちの力で1円でもいいから「稼ぐ」ってこと。1円だよ、カンタンでしょ? もちろん高校生だから仕事もショーバイもしたことないと思うけど、ぜんぜん大丈夫だから。僕らおとながしっかりサポートします。

でも、先にちゃんと注意しておきたいことがあって、おとながサポートするといっても、なんか稼ぎやすい方法とかノウハウを手取り足取り教えてもらえると思ったら、それは大間違い。この場に「答え」というものは、一切ありません

むしろ「答え」を、何もないところからみんなでつくりあげていく場にしていきたいし、していかなければならないと思っています。

ふだん中学とか高校の授業って、もともと正解が決まっていて、それにいかに近づけるかっていうのを競ってると思うんだけど、ここは断じてそういう場じゃない。僕も正解を知らないし、これから登壇する先生たちも、自分のやり方は知ってるかもしれないけど、もっといい「答え」があるかもしれないし。ただ1つの正解があるわけじゃないから。もしかしたら正解なんてものは、1つもないのかもしれない。

だからここでは、受け身じゃなくて自分で考えて自分で動かないかぎり、何も起こらない。自分の力で自分なりの答えを見つけにいくしかない。学校みたいに、先生がやることややるタイミングを決めてくれるわけじゃないし、基本「放置」です。でもそのかわり、わからないことを教えてほしいとか頼ってきたら、最大限助けるから。君たちが主役であり、考えて動く立場であって、おとなはそれをサポートする立場にすぎないっていうのを、忘れないでください。

で、そのおとなの中のおとなで、今回アドバイザーを務めていただいている投資家の村口和孝さんに、まずホームルームとして20分くらい、心構え的な話をしてもらえればと思っています。

村口さんはベンチャー企業に投資する「ベンチャーキャピタリスト」という職業のレジェンド的存在で、小学生や中高、大学生に向けて「起業体験プログラム」という模擬店を活用した商売体験を20年間実施している、この道の大先輩なんでね。

では、「ハイスクールショーバイ!」の始まりです。村口先生、どうぞよろしくお願いします!

(♪キンコンカンコーン 始業チャイムの鐘の音と共に、村口さん登場)

(題字:書道家 万美/Calligrapher MAMI


「商売」 にいちばん大切なことって、 いったいナンダ?

はい、ではさっそくホームルームを始めます。村口和孝です。うん、やっぱりまだ表情が少し固いね。そこの君、だいじょうぶ?

—(生徒1)え、あっ、はい。

ええと、君の名前は……林くんか。じゃあ林くんに聞くけど、これから商売するにあたって、ビジネスを始めるにあたって、何が一番大切なんだと思う? 商売に絶対必要なことって、いったいなんだ?

—(林くん)うーん。アイデア?

アイデア。うん、いいね。素晴らしい。じゃあ、そこの君はどう思う?

—(生徒2)戦略です。

戦略。高等な答えだね。どうだ、君は?

—(生徒3)ええと、やる気と……準備?

やる気と準備。いい答えだ。じゃあ、あと一人、君は?

—(生徒4)自分がやりたいか。

自分がやりたいか。いい感じ。サラリーマンに聞くのとは、ぜんぜん違った答えが出てくる。すごくいいことだ。私は、慶應のビジネススクールなんかでも教えてるし、大学生や社会人への講義みたいなこともやってるんだけど、君らの答えがひょっとしたらいちばん答えに近いかもしれない。

あらためて自己紹介すると、私はね、ベンチャーキャピタリストといって、ゼロから事業を生み出す起業家を応援する仕事をしています。

プロ野球球団を持つまでに成長したDeNA、パッケージソフト開発のインフォテリア、最近では、サブカル系コンテンツの草分けであるブシロード。このほかたくさんの会社を上場に導き、「レジェンド」なんて言われるようになった。

起業家が思い描く事業に将来性があると思ったら、まだ売上がなくても、赤字でも投資する。事業をつくり上げる段階から関わって、起業家とともに汗をかき、成功に導く。それが私のやり方だ。

そうやって35年間活動し、たどり着いた私なりの起業論がある。今日はそのなかでも、いちばん基礎のところを、ぜひ君たちに伝えたい。

ビジネスするにあたっては、いったい何がいちばん重要なんだ? これから商売を始める君たちもそうだが、事業を起こす「起業家」が最も大切にすべきことって、なんだ?

答えを言おう。それはね、君たち一人一人が心の中に持っている、未来に対する「予感」なんだ。予感。

言っておくけど、これ絶対、受験には出ないぞ(笑)。だから真面目にメモとったってしょうがない。

学校や塾のテストでは、物事の本質を問われることって、ほとんどないよな。会社組織ってなんだ。お金って、事業ってなんだ。一見単純なことほど、多くの人が考えない。実は大人たちだってわかってないから、教えないんだ。

誰も教えないからこそ、私は今日君たちに、商売の本質の話をしておきたい。上っ面のテクニックなんて、後からどうにでもなる。そんなものより、考える基礎を培ってほしいんだ。

起業家にとっていちばん大切なのは、予感。じゃあ予感って、いったいなんだ? 漠然としていてまだピンとこないだろうから、ちょっと質問を変えてみよう。君たちは今から20年後、どんな自分になっていると思う? ええと、君たちはいま16歳くらいだから、30代半ばになっている、2039年の世界だ。

はい、君から。

—(生徒5)働いてます。バリバリ働いて、第一線で活躍している。

いいね。自分が漠然と心の中に持っている、将来像。それは一人一人違うけど、誰にでもあるはずだ。君はどうかな?

—(生徒6)子供が3人くらい、いる気がします。

子供がいる家庭を持って、楽しく暮らしている。素晴らしい。それも大事な予感だね。うちは子供、4人。数で競うことじゃないけどな(笑)。どんどん行こう。

—(生徒7)アフリカにいる。

お、いいなあ。アフリカはこれからどんどん発展するといわれている。そこには何かがあるかもしれない。きっと君には、フロンティア精神があるんだな。

—(生徒8)20年後、自分が好きなことをできていたらいいなって思います。我慢してレールに乗るんじゃなく……。すいません、それだけなんですけど。

いや、ぜんぜんそれでいいんだ!

予感っていうのは、未来のイメージであり、誰でも最初はぼんやりしたものだ。むずかしく考えなくていい。この世にオギャアと産まれたときから、みんなが漠然と持っているもの。だけど多くの人が特に意識しないまま、受験や就職活動でみなと同じ目標を追いかけるうちに、自分だけが持っていた予感をすっかり忘れてしまったり、ゴミ箱に捨ててしまう

私はね、偉大な起業家というのは「自分の予感に忠実な人たち」だと思ってるんだ。彼ら、彼女らに事業のきっかけをたずねると、10代、20代にあることが圧倒的に多い。思春期に描いた希望や妄想、学生時代に熱中した学問、サークル活動や旅先での出会い、読書……。さまざまな経験を通して、起業家は「こうなっていたらいいな」「なんとなくこうありたい」みたいな、未来の些細なイメージを徐々に具体化し、「人生で何をなすべきか」を見つけていく。

そのプロセスは試行錯誤の連続で、道に迷うことだらけ。それでも、心の中にある予感を捨てなかった人だけが、夢を叶えるんだ。

私だって、ここまですんなり来たかというと、ぜんぜんそうじゃない。

君たちと同じ高校生の頃は、とにかく医者になって人を助けたかった。でも医学部に受からなくて、2浪して挫折。仕方なく経済学部に進学したんだけど、マクロ経済とかの授業にぜんぜん関心が持てなくて、シェイクスピア劇の演出にのめり込んだ。で、そのまま演出家になろうと思って先輩に相談したら、「演劇で食っていくのは無理だ」って言われちゃってね。結局、金融会社に就職したんだけど、そうしたら今度は会社の創業期に投資をする「ベンチャー投資」に熱中しちゃって、十数年間経験を積んで39歳で起業。結果、日本初の独立系ベンチャーキャピタリストになった。

悩みながら、あっちに行ったり、こっちに行ったり。もうめちゃくちゃ、私の人生(笑)。 でもね、「人に興味がある」「人を助けたいな」っていうのは、子供の頃からずっと変わらない感覚だったんだ。そしてその感覚だけは忘れなかったから、行ったり来たりはしつつも、最後にはベンチャーキャピタリストという「起業家を支援する」仕事にたどり着いた。

この仕事は、起業家のためにカネを集めるのはもちろん、軌道に乗るまでの苦悩を共にし、ときに叱咤激励する。そのなかで大事なのが、人間を深く知ること。それをどこで学んだかというと、試行錯誤した青春時代。とりわけシェイクスピアなんだね。

実際、駆け出しの頃にシリコンバレーで「ベンチャーキャピタリストになるには何が必要か」と聞いたら、「人間理解だ」って言われたんだ。私が「大学でシェイクスピアを演出していた」と言ったら、その人は「That’s it !」と答えた。あれは、重要な瞬間だったね。

こんなふうに、自分の予感、自分だけの感覚を忘れずに生きていくと、行く先々で何かしらのヒントがある。そしてそこで試行錯誤していると、いつか必ず「これだ!」ってものに出会えるんだ。

どうだろう。ちょっとは「予感」ってもののイメージが見えてきたかな?

君たちの予感が何かを知っているのは、友達でも親でも先生でも憧れの有名人でもない。君だけだ。そしてその予感を他人に伝えてみても、みんな「ふーん」としか言わないだろう。「20年後、自分はアフリカにいる」って親に言ったら、何を言っているんだと怒られるかもしれない(笑)。

でも本当に君たちに今日伝えたいのは、その予感を、とにかく大事にして欲しいってことなんだ。その予感こそが、人生の羅針盤であり、商売のきっかけにもなるのだから。


商売とは、 「表現活動」 である

さあ、自分の未来に対する「予感」を大切にする。このことはインプットできたかな。次のステップに行こう。じゃあ次は、どうやってその予感を「実現」していくのか?

大前提として、社会で生きるとは他者と関わることだってことを、しっかり認識しよう。君には、生まれた瞬間から母親と父親がいる。家族、地域の人、友人、仕事仲間、人生のパートナーなど、他者との関係をつくりながら生きていくのが人間だ。

私たちは、一人では本当に何もできない。だから、関わりのある人たちに何かをやってもらうために、常に「表現」をしている。赤ちゃんが「お腹が空いた」と泣くのも、表現。友人と遊びたくて「LINEを送る」のも、表現。親に本当の自分を理解してほしくて「反抗する」のも、表現。

同じように、君らが自分の人生を社会の中で実現しようというのも、「表現」なんだね。

さっき「自分が好きなことをできていたらいい」って答えた子がいたけど、そう君ね、じゃあ自分が好きなことって、自分一人の力でできるかな? うん、できないね。絶対に他者に手伝ってもらわないと、好きなことも当然できない

だから人っていうのは、生きるためにも、自分の目標を達成するためにも、常に自分を「表現」しなきゃいけないんだ。人生というのは、表現なんだよ。表現して、他者とつながるんだ。

そして実は「商売」っていうのも、人が自分の人生を表現したものの一種にすぎない。スティーブ・ジョブスはアップルコンピュータという商品で、自分の人生を表現したし、商店街の焼き鳥屋さんやパン屋は、焼き鳥やパンという商品でその人の人生を表現している。

起業とかビジネスと言うと途端にむずかしく考えがちだけど、そうじゃない。起業家が自分の予感にしたがって、「商品・サービス」というもので人生を表現しているだけ。その人の表現活動なんだ。


表現する 「恥ずかしさ」 を 超えていこう!

でもさ、表現って基本的に恥ずかしいよな。だって自分をさらけ出して、相手に見せるんだから。そう思わない?

—(生徒9)私ですか? 演劇部なので......。

あ、演劇部か。それじゃ恥ずかしくない? でも最初はどうだった?

—(生徒9)緊張したし、恥ずかしかったです。

台詞とちったりさ、大変だよね。商品・サービスというものを通して顧客に表現する「商売」も、演劇とまったく同じ。やっぱり最初は、とっても恥ずかしいことなんだよな。

だって、できあがった製品のクオリティが低かったり、飲食業のメニューがまずかったりしたら、もう最悪じゃない? 自分の未熟さがバレて、めちゃくちゃ恥ずかしいよね。カッコ悪い。

でも、完璧になんかできるか?

だって人間が商品を作るんだから、あるいは芝居をするんだから、完璧なんていうことはありえないわけだ。人間は、数学やプログラミングなんかとは違う。常にどこか不完全で、常にどこかへと向かう途上にいる。不完全・未完成が基本。その不完全なものを、商売だったら値段をつけて売らなきゃいけないって、やっぱりめちゃくちゃ恥ずかしい。

でも、仕方ないんだ。商売って、人生って、恥ずかしいものなんだよ。その恥ずかしさを超えていかないかぎり、社会に自分を表現することなんてできない。どんなにヘタな役者でも、思い切って舞台に立たないことには、芝居の幕が開かないのと同じことだ。


商売活動の99%は 「協力」。「競争」 じゃない

舞台に立つ勇気を持って、商品やサービスという表現をする準備ができたら、価格をつけて売ってみる。誰に向けて、どんな機能をつけて、いくらで売るか。商品の名前はどうするのか? トライアンドエラーをくり返し、ほしいと言ってくれるお客さんが1万人できたとしようか。そしたら次は、その1万人に対して、常に過不足なくその商品・サービスを提供できる体制を整えないといけない。

ここで大事になってくるのが「協力」だ。1万個の商品・サービスを安定供給するには、工場で働く人、指示する人、配達する人など、たくさんの人の協力が必要になってくる。

話が長くなってきたから、いったんちょっと整理しようか。

「予感」を見つけたら、商品・サービスを通して「表現」する。それが市場に受け入れられたら、取引先や仲間との「協力」関係をつくり上げ、安定供給を目指す。実はここまでが、商売の99%を占める。これがほとんど商売のすべてだと言っていい。

予感し、表現し、協力する。

商売というのは「競争」だと思っている人がいるけど、それはぜんぜん違うんだな。競争というのは、たとえば受験のようなもののこと。1つしかない正解をめぐって、みんなが点数を競い合うことだ。商売でそういった競争関係が生まれるのは、商品・サービスを市場に出したあとね。

たとえばアイスクリームを売るのに、うちのアイスクリームじゃなくて隣のアイスクリームが買われたら、たしかにそれは競争なんだけど、アイスクリームを安定的に売るには、本当にめちゃくちゃ多くの人に協力してもらわないといけない。競争というのは競合他社と市場でぶつかる最終段階の1%だけの話であって、商売の99%は、人々との協力によってできているんだ。きわめて人間的な活動だと言えるよな。

このことは人生を歩むうえでしっかり覚えておいてほしいし、これから商売を経験するなかで、君たち自身も強く実感することだと思う。他人と協力しなければ何もできない、ってことが。


君たちは動物園の「中」で生きるか?「外」で生きるか?

商売の99%を占める協力関係のなかで、重要なのが「ヒトとカネ」だ。生産設備や店舗を用意し、商品を作り、働いてもらう人を確保し、お給料を払う。そのためには「経営資源」と言われているお金と人材が、どうしても必要になる。

君、お金持ってる?

—(生徒3)いや、まったくないです(笑)。

それで、いい。素晴らしい。お金は自分が持っていなくてもいいわけ。私が会社を立ち上げたときも、カネなんてぜんぜんなかった。なければどうするんだっけ?

—(生徒3)借りる?

うん、借りてもいいし、お金を持っている投資家を説得し、出してもらうんだよ。カネは持ってる人から集めればいいし、ヒトは雇えばいい。経営資源はあるに越したことはないけど、自分でぜんぶ持っている必要はない。

日本は、世界で最も金融資産の多い国の一つだと言われてるんだ。つまり「世界一お金が眠っている国」。2018年末時点で、個人の金融資産が1830兆円。日銀がいくら金利を下げても使い道がないって、政府はずーっと頭を抱えている。

実はこれだけ社会にお金があふれかえっているのに使われないなんて、何がいけない? いったい、誰がいけないんだろう?

—(生徒10)使い道を作らないから。

ビンゴ。その通りだよね。使い道を作らないのがいけないよな。

だから、商売なわけだ。起業家が予感を大切にし、顧客を見つけて、そこに商品・サービスを表現して、それが1万個売れるってことになったら、1万個準備するのにお金が必要になってくる。それは言葉をかえれば、新しいお金の使い道ができるってことなんだ。雇用も生まれるし、お金がどんどん社会に循環していく。

だけど、現実はぜんぜんそうはなってない。今の優秀な高校生、大学生は、全員どうなってる? 就職しちゃってるわけだ。私はこれが、もったいなくてしょうがない。だって就職したその先の世界というのはさ、「組織の世界」なんだから。

組織というのは、すでに商品・サービス供給のためのオペレーションが機械的に動いていて、「就職する」というのは、そのオペレーションの1つに「組み込まれる」ってことだ。

君たちみたいに、若くて、優秀な人間たちがオペレーターになっているというのは、厳しい表現をすれば、まるで動物園で飼育されている動物たちが、決められた時間に餌を食べ、水浴びをして、眠って……という生活を送るようなもの。それは、予感とは正反対の世界だ。

日本中のすべての動物が上野動物園に入りたくて殺到しているっていうのが、今の社会のように私には見えるね。そうじゃなくて、日本中で動物たちが生き生きと活動するような社会であるべきで、そうなるために私はこんな授業を君たちにしたりしているわけだ。 どうして、もっと生き生きできる自然界で暮らそうとしないんだろう? 自分で商売を起こすというのは、自然界で餌を見つけ、仲間と協力して暮らすこと。なぜ、それを怖がるのか。もしかしたら、商売をものすごく特別なこと、難しい知識がいることだと思っているからじゃないか?

でも、さっきからくり返し言っているよね。まず、すべての大元になるのは個人の未来に対する「予感」だ。そこから商品・サービスで「表現」し、安定供給を目指して「協力」する。このシンプルなプロセスは、時代も国籍も超えた商売の本質と言っていい。インドでも中国でもシリコンバレーでも、基本、起業家、商売人は同じことをしている。

そしてそのために必要なカネは、この日本に余っている。むしろ「使ってください」「お願いです!」と言われているんだ。たまたま現代の豊かな日本に生まれて、未来がある高校生で、予感に従ってこの場にやって来た君たちが、このチャンスを逃す手はない。

ぜひ、自分の中にある自分だけの予感に向き合ってほしい。対峙してほしい。予感なんていうと、おとなも親も顔をしかめるだろうけどさ、君らがどうありたいかという予感こそが、人生で一番重要なんだ。どう生きたいか。何をすべきか。心の声に耳を傾けたとき、君たちの「本当の人生」がスタートする。

それでもし良い事業計画があったら、私か、私の仲間が、何千万かを出資できる。素晴らしい予感があって、実現したいと思ったら、お金を持っていなくてもいいからな。私みたいな投資家を説得して、資金を調達すればいい。相談にはいつでも乗る。

はい。ということで、こんな感じかな。私のホームルームは、これで終わりにしたいと思います。まだ伝えたいこと、いっぱいあるんだけどさ。ぜんぶ話してたら1週間かかっちゃうから(笑)。

何か私に質問があったら、LINEかFacebookでつながって、いつでもしてきていいからね。じゃあみんな、商売、頑張ってください。(拍手喝采)

授業日:2019年7月13日
著者:村口和孝(@kazmura
ライティング:室谷明津子(@atsu_kom
撮影:吉屋亮(https://448.tokyo/)
編集:柿内芳文(@kakkyoshifumi

この連載について

高校生よ、ショーバイせよ!

HS編集部

商売に挑戦したい高校生20人を対象に開催した、夏の特別イベント「ハイスクールショーバイ!」の様子を公開。商売上手な6名のプロフェッショナルが、高校生たちへ「商売の極意」を伝えていきます。

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コメント

mynrrr_ 文章だけでワクワクするな 6日前 replyretweetfavorite

hgtr6tytr 夢ではなくて予感と表現しているところに、現実味がある。 23日前 replyretweetfavorite

masayaquality 金言だらけの素晴らしい記事だった...。 ・起業とは「未来に対する予感」 ・商売とは「表現活動」 ・「競争」ではなく「協力」 ・オペレーションの一部になるな 君たちはどう稼ぐか/村口和孝先生 @kazmura https://t.co/aJoXOGoUas 23日前 replyretweetfavorite

rosebourbon 今はこんな話を高校時代に聴くことがことができるのか!いいなぁ!! 26日前 replyretweetfavorite