そのがんばり、周りに認めてもらうべきです

ここは、カフェ「しくじり」。都会の喧騒を離れ、一見さんお断りの限られた客のみ入店できる会員制のカフェ。
このカフェでの通貨は「しくじり」。客がマスターにしくじり経験談を披露し、その内容に応じてマスターは客に飲み物や食べ物を振る舞う。 マスターの小鳥遊(たかなし)は注意欠如・多動症(ADHD)の傾向を持ち、過去にたくさんのしくじりを重ねてきた。しかし“ある工夫”で乗り越えてきたという不思議な経歴の持ち主。そんな過去の自分と似た「会員」のため、今日もカフェのカウンターに立つ。 そんな奇妙なカフェのお話。

(初回はこちら)(記事一覧はこちら

****

(カラン、コロン〜♪ カラン、コロン〜♪)

小鳥遊 「おや、りんださん、いらっしゃいませ。どうなさいましたか?」

りんだ 「小鳥遊さん、『優秀な人に仕事は集まる』って言葉、本当なんでしょうか?」

小鳥遊 「いきなりその質問ということは、抱えきれないぐらいの仕事にパンクしてしまったとか?」

りんだ 「ええ、仕事を引き受けすぎちゃって。さすがに最近は自分でも多すぎかなって思って引き受けるか迷ったりしているんですけど、そんなときに『りんださん、優秀な人に仕事は集まるって言うじゃないですか』って言われて、ちょっと嬉しくなって引き受けちゃったり」

小鳥遊 「フフフ、今回もいいしくじりのにおいがしますね。りんださんのお話、じっくり聞かせてください」

****

りんだ 「最近、打ち合わせが多いんです。昨日は、午前はお客様のところに訪問して、昼前に帰社。午後はほとんど打ち合わせで、自分の仕事ができる時間は定時前の30分しかなかったんです」

小鳥遊 「それはもうがっつり残業コースですね。しかも、お客様訪問は行っただけで終わることもなくて、例えばそのお客様向けの提案資料や見積もりをお送りするとか、必ずその後の事務仕事があったりしますよね」

りんだ 「そうなんです。午後の打ち合わせも同じで、打ち合わせて終わりじゃないんですよね。むしろ、打ち合わせて新たな仕事が発生します。そんなときに限って締切が『早ければ早いほどいい』とか言われるんですよね」

小鳥遊 「分かります。信頼されて仕事を任されるのは嬉しいことですが、正直自分では処理しきれない量の仕事がドサッとくると困りますよね」

りんだ 「そこなんですよ、小鳥遊さん。『自分では処理しきれない』って自己申告じゃないですか。だから『いや、そこは頑張ろうよ』って言われたら、自分でも『頑張ってやらなきゃいけないかも』って思っちゃうんです」

小鳥遊 「りんださんは真面目ですね」

りんだ 「でも、結局引き受けすぎて自分で自分の首を絞めてしまうんです。自分でも、『ああ、こんなにあったら無理だ』って思える根拠とか理由みたいなものがなくて。だから、他人に対しても無理だって自信を持って言えないんです」

小鳥遊 「なるほど」

りんだ 「だから、今仕事を抱えすぎてしまって、パンク寸前…というか、もうほぼパンク状態です」

小鳥遊 「それは大変でしたね。じゃあ、わんこそばでも食べますか」

りんだ 「小鳥遊さん、『じゃあ』の意味が分かりません(笑)」

小鳥遊 「フフフ、あとでお話します。ちなみに、そばはお嫌いですか?」

りんだ 「いえ、出身が東北ということもあり岩手のわんこそばが美味しくて結構食べてました。ご存知の通り、食いしん坊なので…。お腹は空いているので今日は記録更新できるかも!」

小鳥遊 「なら良かったです!」

****

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

要領のよさの実体はノウハウ。練習すれば、うまくなる

この連載について

初回を読む
カフェ「しくじり」へようこそ

小鳥遊 /りんだ

発達障害でありながら一般企業に勤める小鳥遊(たかなし)さんが、カフェのマスターに扮して仕事の悩みに答えるストーリー連載。「安心して仕事ができるようになる、安心して会社に行けるようになる」を目指す、世界でいちばん意識低い系のビジネス連載です!

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません