お金持ちになりたい欲は、不安の裏返しだ
僕は金持ちになりたいと思ったことがないと、前回述べた。
そう言うと、じゃあなぜホリエモンはビジネスで儲けているんだ?と聞かれたりするが……程度の低い揚げ足取りに、ため息が出てしまう。ビジネスで利益を上げるのと、お金持ちを目指していないのとは、まったく違う次元の話だ。
お金持ちになりたいという人は、なればいい。お金持ちになれる方法なら、たくさんある。僕のメルマガや書籍などで、効率よく稼げる新しい事業を無数に挙げているので、購入して読んでもらい、どうぞ好きなだけ儲けてほしい。
親切に稼げる技を公表しているのに、いまだに「お金持ちになりたいけど、どうしたらいいですか?」と聞かれる。鬱陶しいが、普通の人には「健康になりたいけど、どうしたらいいですか?」ぐらいの質問なのだろう。
質問されたら、僕は一貫して問い返している。
お金持ちになってどうするの? お金をたくさん持って、何をしたいの?
僕が納得できる答えをくれた人は、滅多にいない。そもそも納得ゆくような答えのある人は、お金持ちになりたいなんて思わないのだろう。
10代の頃は、僕も人並みに「欲しいものがあるのに、いまの貯金じゃ足りないなぁ」と思っていた。だからといって、別にお金持ちになりたいとは考えなかった。欲しいものが手持ちのお金では買えない。それは制限要因の理屈であって、お金持ちになりたい!という意欲とは別のものだ。
世間一般の人よりも自分の物欲が薄いと気づいたのは、大学に入ってからだ。先輩から、「堀江は人の心を持っていないな。シヴァ神みたいだ」と言われた。褒め言葉だったのだろうか? 僕の物欲のなさは、一般的な若者としては異質だったのだろう。
20代の初めには、お金が欲しい!の呪縛からは完全に解放されていた。
お金にマインドシェアを奪われず、やりたいことを全力投球でやりきる人生を、他の人より若いうちにスタートできた。幸運と言えば、幸運だったかもしれない。