※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2020年3月16日発売当時のものです。
表向きは「トップ同士の親睦会」。そこでは、何が話し合われているのか。
2020年2月の第2金曜日に当たる14日の午前11時45分。東京・丸の内にある三菱商事ビルの地下駐車場に、レクサス、ベンツといった黒塗りの高級車が続々と吸い込まれていった。
「三菱金曜会」。4500社を超える三菱グループ企業の中でも、主要27社の会長、社長だけが参加できる、月に1度の定例会だ。会場は専用の入り口とエレベーターも備える21階。最上階に当たるフロアには、三菱の社員はほとんど足を踏み入れることがない「三菱クラブ」がある。クラブの西側には大きなガラス窓が広がり、皇居の縁が見下ろせる。
開会時間の正午になると、参加者は昼食を取りながら懇談する。食事の後は学者や著名人の講演を聴き、午後1時半を過ぎる頃にお開きとなる。講師として参加したある学者は、「横長の大きなテーブルにトップがずらっと座っていてね。あれだけの人数が並んでいると、どこを向いて話せばよいかわからなかったよ」と振り返る。