継体天皇を越国から迎える②
★前回のお話→「先代天皇は子無し…第26代天皇の座は誰の手に?【第26代①】」
十日、カナムラは、天皇に願い出ました。
「私は、先王が世を治めるのに、皇太子がしっかり定まっていないと、天下を統治できず、後宮が睦まじいものでなければ、子孫に継承されることがないと聞いています。
清寧天皇は世継ぎがなく、私の祖父・ムロヤを遣わして、州(くに)ごとに三種の白髪部(しらかべ)※1を置いて、後の世に名を伝えようとしました。痛ましいことです。
どうか、タシラカ(手白香皇女)※2を皇后に立て、神祇伯(かむつかさのかみ)※3らを遣わして天神地祇(あまつかみくにつかみ)を祭り、天皇の皇子ができるように祈らせて、民の望みにお応えください」
天皇は、
「良かろう」
と言いました。