映像データを集めて活用するためのインフラ、その重要性はこの先ますます高まる。
世界のビジネスシーンを席巻し続けているGAFA、すなわちグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルは、顧客の検索情報や人の所在地情報など膨大なデータを握っていることが力の源泉だ。しかし彼ら「巨人」とて、映像データに関しては集め切れていないのが現状である。映像データを圧倒的に蓄積し、有用なデータとして活用しているビジネス・プレーヤーはまだ存在しない。
世界中と言わずとも、まずは日本で生じる映像だけでもセーフィーにどんどん集まるということになれば、データ駆動型社会で巨大な存在感が発揮されることになる。
21世紀は「映像データの時代」か
ただ同時に、存在が大きくなると、怖がられるリスクも生じるのでは。カメラが至るところにあるなんて、「監視社会」「超管理社会」をつくろうとしているんじゃないか……などと。
「そうですね、マイナスの予測をする人がいるのも当然のところです。そんなことはないですよ、明るい未来が拓けますよというのは、繰り返し地道に唱えていくしかありません。
いくら抽象的な概念を示しても不安は払拭できないでしょうから、やはりプロダクトベースで見せていくしかありません。たとえば今世紀になってから起きた『通信革命』だって、iPhoneのような具体的で使い勝手の抜群な携帯端末プロダクトが行き渡ったから、私たちにはその意義が理解できているわけで。
私たちも近いうちに、『見る』という知覚とデータベースが一体化して、それを置いておくだけで課題が自発的に発見され、解決までしてくれるツールを生み出していきたい。
それはもう、カメラという概念では捉えられない何かになっているでしょうけど、そうしたプロダクトやサービスを通して私たちは、人々の意思決定をよりよくすることや、よりよく判断ができるソリューションを目指しています。
私たちの事業が人の未来をつくる、心からそう信じています」
「よく見る」ことが、世の中を少しずつよくする
佐渡島隆平さんの構想は壮大だ。その言葉を信じるなら、クラウドカメラと映像データが21世紀の行方を占うカギを握っている。
大きな構想を掲げる起業家は、いつごろからその夢を抱き温めているものだろう。佐渡島さんの場合はいかに?
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