勝手ながら著者名を本名に戻させていただきます(来週から)

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の堀本陽子さん。飾らず、自然体でおおらかな性格の彼女の日常を切り取ったエッセイが大好評連載中!
結婚によって名字が変わった人は、旧姓と本名を切り替えるタイミングが難しかったりするものです。特に誰もがご存知の俳優の奥様ということが分かる苗字であると、なおさらそうなのかもしれないですね。

この連載を開始した約2年前は、私はモデル事務所に所属し、仕事はモデル業が本業で、ヨガセラピストとしての活動(レッスンなど)は副業でした。

学生時代にモデルの仕事を始めた時は、何も考えず本名を名乗っていました。(特に誰からも芸名を付けることを進められなかったし・・・今思えば「陽子」なんて私の時代にはクラスにもう一人いることも珍しくないくらいありふれていたので、誰か何かアドバイスしてくれもよかったのでは?!と思いますが)

そう、「堀本陽子」です。

ヘルシーな食事を紹介するモデルの私

苗字はそんなによくある方ではないかもだけど、「芸名みたい!」というような華やかさがあるとはお世辞にも言えない印象です。

18歳でモデルをはじめ、24歳で結婚し、ここでも二人姉妹の妹で姉ももう嫁いでいたため、私が入籍により苗字が変わると「堀本」を継ぐ人がいなくなってしまうという状況でしたが、誰も何も言わず本人もなんの躊躇もなく「生瀬陽子」となりました。

・・・あ、思い出した!躊躇は少しだけありました。今だから言うけど・・・「生」って・・・名前に「生」が付いて「なま」って読むなんて・・・ということです。(当時は「生」と言えば「生ビール」のイメージしかわかなかった)

昔、夫が旧芸名の「槍魔栗三助」(やりまくりさんすけ)だった頃、演劇好きの友人が

「この人の本名、イクセカツヒサっていうらしいよ。かっこいいよね。」

と、ノートに「生瀬勝久」と書きながら教えてくれました。その頃は、まさかその後自分がその名字になるとは思いもよらずに

「ふーん、芸名と全然印象違うね〜。」

などとのん気に言っていたものでした。

そう、「いくせ」と「なませ」ではこれまた印象が全然違いますよね。

その後彼はNHKの朝ドラ「純ちゃんの応援歌」に出演が決まった際に「この芸名では出せない」と言われ、本名に改名(?!)した訳ですが・・・漢字だけ読んだ人の中にはかつての私の友人のような読み方をした人もいたかも知れません。

そんなこんなもあり(若干抵抗がある、読み方が分かりにくい)私は仕事は旧姓「堀本陽子」のままで続けることにしました。

すでに6年間雑誌や広告でその名前で働いていたため、「堀本陽子」で私の顔を覚えてくださっているキャスティング事務所さんや読者さんもいらっしゃるかも知れないから、という事務所的配慮もありました。

更に夫が東京のドラマや舞台で活躍しだすとありがたいことに「生瀬」は「なませ」と認識してくださる方も増えてきたので、「なませ」と言えばあの顔が浮かぶ人も多くなり、ますます自分は「堀本」と呼ばれている方が「楽」になっていきました。(「生瀬の妻」であるということによるお気遣いを受けなくて済むから)

そして結婚10年目にして私達は男の子を授かり、父と母になりました。

すると私は当然「生瀬さん」と呼ばれることが格段に増えました。

最初はなかなか慣れませんでした。(10年も経っているのに)

なぜなら私は子供を産むまで、夫のことを「生瀬さん」と呼んでいたからです。

関西の彼の実家では私が彼をそう呼ぶ度に

「あんたも生瀬やん!」

と突っ込まれてはいましたが、「勝久」感や、あだ名にするにしても「かっちゃん」感が全くない彼を今さら下の名前で呼ぶのは非常に抵抗があり・・・なかなか直せませんでした。

しばらくはこんな感じでした

が、自分が母となり、息子が幼稚園に通い始めると私の苗字は「生瀬一択」です。

もうこれは受け入れるしかありません。

赤ちゃん時代に受ける膨大な予防接種の受診票や幼稚園関係の書類にどんだけ「生瀬」と記入したことか・・・。

その息子が今はもう中学3年生になり、私は「ママ友」も増えていき(そんなに多い方ではないと思いますが)その社会の中で私を「堀本さん」と呼ぶ人は当然ながら一人もいません。

息子が幼稚園時代、お台場にて

モデル業もやはりヤング時代(言い方!)よりは仕事も減ってきて、今年の初めには30年間所属した事務所を退所しました。(むしろこんなに長く続けさせていただけたことに感謝です)

副業で10年続けてきたヨガセラピストのお仕事に重心を傾けるため、昨年新たにメディカルヨガインストラクター、ピラティス、アロマの資格を取得致しました。

そのディプロマ(修了証)の名前は全部「生瀬陽子」です。

本名なので、当然ですよね。

そして縁あって今、ヨガウェアのプロデュースをさせていただくことになり、約20年前に立ち上げていた有限会社をこの春、株式会社に組織変更しました。

一応私の名刺には「代表取締役 生瀬陽子」と生意気にも書いてあります。

どんどん「堀本陽子」の影が薄れていく中、もう「ここでは堀本、ここでは生瀬」と棲み分ける意味がよく分からなくなってきてしまいました。

・・・と説明が長くなってしまいましたが、私は今日から名前を「生瀬陽子」に統一して生きていきます。(におわせではありません、こちらが本名なんです!)

と思ってこちらのエッセイも著者名の変更をお願いしましたが、「読者の方が混乱するのでは」「急な感じがするのでせめて来週からで」とご返答いただきました。

確かに・・・。

いったん旧姓で始めてしまったものを本名に戻すのって意外と色んな弊害が出てきてしまうのですね。勝手を言って申し訳ありませんでした。

そう言えば逆(?!)もしかりで・・・最近離婚が成立した友人は結婚後の名前で仕事を始めていたため、旧姓(彼女にとって今はそちらが本名)に戻すタイミングに苦労していました。(心情的にはすぐに戻したかったでしょうに・・・)

私は特に「「堀本」の苗字をなくしたくない」とか「結婚後も夫婦別姓を希望します」とかのこだわりが全くなくここまできてしまったのですが・・・なるほど・・・こういうことか・・・人の苗字っで気分とか環境によってそんなにフレキシブルに変更できるものではないのですね・・・そしてこういうことで悩むのが概ね女性であることに不平等感があるという議論が生まれてくるのですね・・・48歳、まだまだ勉強不足で失礼しました。

というわけで、来週の更新時から表示名が「生瀬陽子」になる予定です。

中身は同じ人間ですので、エッセイの内容が大きく変化したりはしません。(出来ません)

また、いつかどこかで本名で活動している私を見かけても、どうぞよろしくお願い致します。

この連載について

初回を読む
わたし役者の妻で、モデルで、母です

堀本陽子

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の堀本陽子さん。最近では、バラエティ番組にも出演し、飾らず自然体で、実は、サバサバしていておおらかな性格が話題に。そんな堀本さんの日常を切り取ったエッセイが連載開始! 人気俳優の...もっと読む

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コメント

ChemToLaw そう遠くない未来には、結婚してもそのままの姓(氏)でいることが当たり前になるんだろうな。 4日前 replyretweetfavorite