身近な借金地獄#4】銀行との公平のため総量規制を撤廃せよ

日々、あふれる経済ニュース。じっと眼をこらすと、そこには挑戦や成功、葛藤や挫折があります。この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2017年10月27日発売当時のものです。

銀行との公平のため総量規制を撤廃せよ

 貸金業者の業界団体・日本貸金業協会(以下、JFSA)の山下一会長の発言が、業界内に波紋を広げている。

 6月14日に会見を開いた山下会長が、「年収の3分の1以下という貸し付け上限規制が貸金業者にのみ課せられ、規制がない銀行と競争条件が異なり不公平。規制は撤廃すべきだという意見が、JFSAの会員企業から多く出ている」と発言したのである。

大手貸金業者に丸投げ

 銀行は個人向けの無担保融資の与信ノウハウに乏しい。近年の急速な個人向け銀行カードローン残高の伸びは、保証会社の存在抜きには語れない。

 貸出時の審査も、その後の与信管理も、銀行は保証会社に〝丸投げ〟しているという指摘は、政府が定期開催する有識者会議「多重債務問題及び消費者向け金融等に関する懇談会」の場でも出ている。

 それではその保証会社はどこかといえば、貸金業大手である。日本銀行によれば、17年3月末時点で個人向け銀行系カードローン残高は5・6兆円だが、保証残高は貸金業大手のSMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス、以下SMBCCF)が1・2兆円、アコムが1・1兆円で、この2社だけで2・3兆円。銀行系カードローン残高の4割に相当する。

 この2社以外では、新生銀行グループが0・2兆円、オリエントコーポレーション(オリコ)は1・3兆円の保証残高があるものの、オートローンやリフォームローンが中心で、カードローンはその半分以下である。アイフルは650億円足らず。それ以外の貸金業者が、銀行系カードローンの保証業務を広く扱っている形跡はない。

 銀行系カードローンに対する保証残高の合計は統計がなく不明だが、上記5社の合計は3兆円強。

 融資残高5・6兆円との差額は実に2兆円強。これだけの額を、どこが保証しているのかがわからない。

 個人向け無担保融資の与信ノウハウに乏しい銀行が、無担保無保証の裸状態で融資している可能性を指摘する声も貸金業界内にはくすぶる。

撤廃論の真意はどこに

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