北川景子主演『リコカツ』を見て思ったこと

映画は結末を知ってから見に行きたい、という若者の意見を目にした武田砂鉄さん。この意見から、今季スタートしたテレビドラマの構造の変化について考えます。


「〝ネタバレ禁止〟を禁止してほしい」

金曜の深夜、バラエティ番組『超無敵クラス』(16日・日本テレビ系)を見た。総フォロワー数1000万人の女性インフルエンサーが集った番組で議論されていたのは「ネタバレ」について。彼女たちが口を揃えて、「〝ネタバレ禁止〟を禁止してほしい」と訴える。観に行く映画は、オチを知ってから選びたいし、長い作品が多くて中だるみしがちな韓流ドラマも、最終的に感動できる作品かどうかを知ってから、安心して楽しみたいのだという。それは、映画・ドラマだけではなく、漫才でさえも同様。

実際に、かまいたちが登場し、「曲の一部分を知っているものの、曲名が分からずCDを買えずにいたお客さんの前で、完璧に曲を歌ってみせた店員さんが全く異なるCDを持ってくる」というオチを告知した上で漫才をしてみせた。「これからこうなる」という展開を知っている皆さんは、漫才が進んでいく中で、「そうそう、これこれ!」といった表情で、あらかじめ告知しておいた展開に笑い転げていた。面白い展開が待っている安心感があるからこそ、思いっきり面白がることができるという。若者の感覚というものはいつの時代もわからないものだし、無理に寄り添うほど恥ずかしいものはないので理解する必要はないのだが、事前告知の安心感と、いざ直面した時の爆笑が両立していく光景には、かなりの新鮮味があった。

これからどうなるのかしっかりわかるもの

4月から始まったドラマをいつもより多く見ている。ひとまず、『リコカツ』(北川景子主演・TBS系)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(吉田羊&國村隼主演・テレビ東京系)、『コントが始まる』(菅田将暉主演・日本テレビ系)、『ネメシス』(広瀬すず&櫻井翔主演・日本テレビ系)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(松たか子主演・フジテレビ系)を見ている。ドラマの初回放送を見ると、「これからどうなるのかちっともわからない指数」を個人的に算出する。その指数の高いもの、これからどうなるのかちっともわからないものを好むのだが、先の『超無敵クラス』を見た後では、これからは、「これからどうなるのかしっかりわかる指数」が好まれるのだろうか。いや、すっかりもう、そうなっているのかもしれない。

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

korokitty7 オレはネタバレがそんなにイヤでないのは、オチがわかっててもそのオチに至る展開を楽しみたいからで、展開バレのストーリーを知った上でながらで画面を見て面白いと思う感覚はわからないなー 25日前 replyretweetfavorite

benedictine555 #スマートニュース 25日前 replyretweetfavorite

thinktink_jp "ネタの提出とネタバレはもちろん違う。ネタが出揃った時に、それだけで半ば「バレ」に近い状態まで到達する作品って、視聴者が食らい..." https://t.co/JZ1jOsNPfY https://t.co/VXeTDscrjJ #drip_app 25日前 replyretweetfavorite

Pizzae_a ネタバレしてから観たい、って時短の一環なのかな、もしかして。 26日前 replyretweetfavorite