前編、中編では男女間の関係を良好にするための考察を重ねたが、今回は、親子関係を取り上げる。親子間で心の距離を縮めるため、健全な成長を促すために必要なことは、とにかくコミュニケーションを取ることだ。親子間で取り入れてほしいコミュニケーションの事例を下図にまとめた。

いくつか挙げたが、要点は会話をすることだ。教育心理カウンセラーの高橋チカ子氏によると「会話の量ではなく質が大切」。実際、高橋氏は多くの心を病んだ子供のケアをしてきたが、「週1回、1時間のカウンセリングでも効果が出た」というから、忙しい父親でもチャレンジしてほしい。
会話で心がけたいのは「感情を表す表現を取り入れ、子供から引き出すこと」(高橋氏)。例えば水に触れたら「キンキンに冷たい!」、飲んだら「ヒャーとして生き返ったよ!」などと表現してみよう。
親が率先して表現すると、子供は「自分も表現していい」と安心し、自分も表現するようになる。感情の表現の積み重ねがコミュニケーション能力の土台をつくる。
逆に、こうした内面の表現方法を知らないと、友人関係の構築が下手だったり、いじめに遭った際にSOS発信ができなかったりする。「表現ができないから“空気を読む”に終始し、それが活力や意欲を弱める」と高橋氏。表現できないことは子供のストレスとなり、「脳内機能の低下、例えば海馬など学習機能をつかさどる部分にも悪影響を与える」という。
会話が苦手、または途絶えているような親子関係でも諦めないでほしい。「お土産はアイスとチョコ、どっちがいい?」などと選ばせることからやってみよう。「認められている、意見を言っていいんだ、という安心感を醸成する近道」(高橋氏)となる。
◎本記事に関連する記事はこちら!
↓ ↓ ↓
【第23回】男女間のメッセージの裏 & 越えてはいけない一線 !!