歌垣(うたがき)※1の後、シビを討つ①
ワカサザキ(小泊瀬稚鷦鷯天皇=第二十五代武烈※ぶれつ天皇)※2は、仁賢天皇の皇子です。母は、カスガノオオイラツメ(春日大娘皇后)※3といいます。
仁賢七年に、皇太子(ひつぎのみこ)となりました。
成人すると、刑罰の理論を好み、法令に詳しく、日暮れまで政務に励み、隠れた冤罪(えんざい)も必ず明らかにし、訴えを裁いても機微に通じていました。
しかし一方では、しきりにあれこれと悪事を行い、一つの善行も行いませんでした。
およそ様々な酷刑の中で、その目で見ていないものはないほどでした。国内の民は皆、恐怖に震えました。
仁賢十一年八月、仁賢天皇が亡くなりました。
大臣・平群(へぐり)のマトリ(真鳥臣)は、国政をほしいままにして、日本の王となろうとしました。
皇太子の為に宮を造ると偽って、造り終わると、自らが住みました。事ごとに驕慢(きょうまん)で、臣下の礼は全くありませんでした。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。