東京電脳探偵団

最終回 Scene01

ユウキが死んだ――?火事の現場に駆けつけたミクとレンは、ただ呆然とするしかなかった。
人気ボーカロイド楽曲のノベライズ『東京電脳探偵団』の一部を公開します。今回で第一章が終了し、連載は最終回となります。続きは書籍でお楽しみください。



『東京電脳探偵団』はこちらから聴けます♪

「自警団だ……」
 野次馬たちが口々に言うのが聞こえる。
「レン、あれ、知ってるか?」
 ミクは敢えて聞いた。レンの気を少しでもユウキの死から逸らせたかった。
 何度か街で見かけたことがあるよ、とレンは言った。
 自警団は地元の有志で構成された、治安を守るという名目の組織だ。なんら法的な権限を与えられているわけではないのだが、この地域一帯で事実上機能していない警察の代わりに、パトロールなどをしている。ときには事件の捜査も行うことがあるというから、それで出張ってきたのだ。彼らのお陰で治安が守られている部分もあるにはあるが、実体はそこらのチンピラの寄せ集めだという噂は、あながち間違っていないと思う。現に、先頭を切って歩いてくる屈強な男はどうみても映画に出てくるマフィアそのものだ。
「あの二人が、ペッパー兄弟だ」
 レンが小声で教えてくれた。
 先頭のいかつい二人は、滑稽といっていいくらいまったく同じ姿形をしていた。マッチョとデブの境目のような体を黒いスーツで包み、ツルツルの頭にヒゲ、真っ黒いサングラス。肌の色だけが違っていて、片やアルビノのような色白、もう片方は黒人のように黒い。こうして歩いているだけでかなりの威圧感だが、一人は軍上がり、一人は元警官だそうだ。
「白胡椒と黒胡椒って呼ばれてる」
 と、レンは言った。
 それよりもミクは、ペッパー兄弟の後ろを颯爽さっそう と歩く女性に目が行った。

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東京電脳探偵団

MONQ /PolyphonicBranch /石沢克宜

「こちらは、東京電脳探偵団。報酬次第で危ない仕事も請け負います。」 初音ミク、鏡音リン、レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKO……人気ボカロキャラが織り成す人気ボーカロイド楽曲『東京電脳探偵団』のノベライズ。 ...もっと読む

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2young 公開しました![今なら無料!]依頼人・ユウキが死んだ? ミクとレンは火事の現場で呆然とするしかなかった――。 4年以上前 replyretweetfavorite