♪『東京電脳探偵団』はこちらから聴けます♪
「ミクちゃん! ちょっと今のすごくない!?」
言われて思わず手を引っ込めてしまった。この病院の受付担当のお姉さんがダッシュしてきてミクの手を取り、その細い指先をまじまじと見ている。
「えっ? あっ……」
やってしまった。人前では絶対に見つからないように注意していたのだが、仕事中つい考え事をして、気を抜いてしまったのだ。
「……えーと、あの、なにが?」
と、とぼけた。
「なにがって、今キーボード打ってたでしょ? すごい速さだったんだけど、ねえもう一回やってみて、もう一回やってみて!」
お姉さんは興奮気味に目を
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