♪『東京電脳探偵団』はこちらから聴けます♪
声は続く。
「もう三匹もそこらへんの野良猫持ってきたわよ。きったない猫。うちのショコラちゃんとなんて全然似てないの。そりゃそーよねえ、ショコラちゃんはここにいるんだからさ」
——え?
「あいつが猫連れてくるたびに押入れの中に隠してさ、かわいそうだったわー」
——どゆこと?
「ショコラちゃーん、こっちいらっしゃい」
ダミ声は言葉通りの猫なで声になった。
レンが窓の隙間から必死になって中の様子を窺っていると、ニャーンという甘えた鳴き声が聞こえた。
ショコラちゃんは最初からいなくなってなんかなかったのだ。
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