仲良くなろうよ」と言うかわりに「ごはん食べに行こうよ」と言える日が、戻ってきますように。

食べることと、住むところについて書いている今回。そういえば「いい店見つけたから行かない?」とか、もう1年も誰にも言ってない気がします。春だし、誰かを誘いたい。連載第53回(毎週火曜日更新)です。サクちゃんのターン。

蘭ちゃんへ

こんにちは!
年度末かー。苦手かどうかあまり意識したことがないかもしれない。でも、わたしは長いことお菓子の業界で働いていて、そこでは12月のクリスマスに始まり、2月のバレンタインデーと3月のホワイトデーがお菓子屋さんの繁忙期で書き入れ時なのですが、ホワイトデーが終わると、張り詰めていた緊張と忙しさが緩むからか、毎年この時期に体調を崩すことが多かったです。

それから、暖かくなるのはとてもうれしいけれど、4月のキラキラした「はじまり」の感じ、やる気が溢れる感じは、わたしもちょっと苦手です。特別感はいらないから、なるべくいつも常温でいさせてほしい、と願っています。

前回の日記で、植物園に行き、ロイホにパフェを食べに行った蘭ちゃんは「楽しみは、自分で作っていくものですね」と書いていました。それを読んで、「うんうん、そうね。でも、人にもらう楽しみもいいものですよ」と思って、蘭ちゃんの家に入浴剤(わたしの推しのクナイプのバスソルト)を送りつけました。楽しみの押し売りかもしれませんが、お風呂の時間、楽しんでください。

*ー*ー*

さて、推し活の話は続きます。

蘭ちゃんが好きなマンガ「よつばと!」読んでみたいです。調べたら、もう18年も続いているんですね。すごい!長く続いているものって、一緒に生きている気がするよね。わたしが今から15巻一気に通して読むのと、18年かけてすこしずつ読み続けた人では、同じマンガでもまったくちがう体験なんだろうなーと思います。それでも、読んでみるね!

わたしの好きなマンガはね、たくさんあるけど、最近では『A子さんの恋人(近藤聡乃さん)』と『かしましめし(おかざき真里さん)』が好きです。

このマンガの好きなところはいろいろあるのだけど、推しのキャラクターがいるかというと、特にいないんですよね。みんなそれぞれ好きなんだけどね。どういうことかちょっと考えてみたら、わたしの「好き」は、特定の個人に対してではなく、「関係性萌え」なのかもしれない。

ひとりがわかりやすく主人公の物語より、群像劇というか、人間がひとりひとりちゃんと描かれていて、善人と悪人とかもなくて、ただ居て、そんな彼らの「関係性」を見るのが好きなんだな、とわかりました。

以前この日記でも書いたように、わたしは、親子も恋愛もすべてただの「人間関係」と見ていて、それは人と人との間にあるもので、双方向から一緒に作っていくものだと考えています。

合わなかったり、誤解があってすれ違ったり、膨らんだり、離れたり、刻々と形を変える「関係性」そのものを見るのがおもしろく、そこに興味があるのだと思います。

焦点がひとりにズームインしないで視点が少し引いたところにあるのは、ものの見方がわたしっぽいなと苦笑いします。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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