読書量だけでは文章は上手くならない
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
新しい作家がデビューするとレビューサイトに、「この人、あんまり本を読んでないんだろう。表現が薄っぺらい」というコメントがつくのはご存じでしょうか。この、「たくさん本を読んだ方が、素晴らしい文章が書けるようになるはず」という信仰は根強くあります。小学校なんかで先生にもよく言われましたよね。
僕もずっと「そりゃそうだ。たくさん本を読んだ方が良い。その方が良い文章が書けるようになる」と思ってたんですね。これは自分で書き始めてみて「間違い」だと気づきました。
もちろん「ある程度までの読書」というのは必要です。でも、世界文学や古典、最新の文学、ありとあらゆる本をただたくさん読んだからといって、決して文章や表現は上手くはならないです。
もし、ありとあらゆる文学を読み尽くした人が、素晴らしい文章を書くのなら、大学で文学を研究している人や、文芸評論家の人たちこそが、すばらしい文学作品を書けるということになってしまいます。もちろん、自分でも素晴らしい作品を書いた評論家の方や、大学時代に文学部で研究してから作家になった方もいますが、作家の大多数はそういう人ではありません。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。